財政規律、緩みは許されぬ — 歳出削減の覚悟を問う
来る8月26日、国会では令和7年度予算に関する審議が幕を開ける。しかし、その前に、我々は国民として、そして政府として、避けては通れない問いを投げかけねばならない。それは、「財政規律はいまだ健在か」という、極めて根本的な問いである。
報道によれば、今回の予算審議では、各種歳出の削減が焦点となるとのこと。しかし、その実効性には、いささかの懸念を抱かざるを得ない。なぜなら、近年、我が国の財政状況は、コロナ禍という未曽有の事態を経験したとはいえ、その実質的な悪化に歯止めがかかっていないからだ。国債残高は膨張の一途をたどり、将来世代への負担は増すばかり。このままでは、経済の持続的な発展はもちろんのこと、国防や社会保障といった、国家の根幹をなす機能さえも危うくなりかねない。
もちろん、社会情勢の変化に対応するための歳出は必要不可欠であり、それを頭ごなしに否定することはできない。しかし、その一方で、「必要」と「過剰」の線引きは、常に厳格に行われねばならない。特に、国民の税金という、血税とも言うべき原資が投入される以上、その執行には徹底した透明性と効率性が求められる。
今回の予算審議を、単なる予算の配分を決める場として捉えるのは早計である。これは、我々がどのような国を目指し、そのためにどのような財政運営を行うのか、その基本姿勢を改めて確認する機会でもある。政府には、耳触りの良い言葉や場当たり的な政策で国民の目をくらますのではなく、国民一人ひとりの生活に直結する歳出について、その必要性、費用対効果を国民に分かりやすく説明する責任がある。そして、何よりも、痛みを伴う改革であっても、断固として断行するという強い決意を示すべきである。
保守の立場から言えば、健全な財政は国家の信頼の礎である。目先の利便性や人気取りのために財政規律を緩めることは、長期的に見て国家の基盤を揺るがしかねない。今回の予算審議が、真に将来世代への責任を果たし、持続可能な日本を築くための、実質的な一歩となることを強く期待したい。国民は、政府の覚悟を注視している。
2025年8月26日、連邦議会予算委員会の第10回会合開催へ：国民生活に影響する重要議題に焦点,Tagesordnungen der Ausschüsse
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