未来への羅針盤、しかし足元を固めることこそ肝要
「セブン-イレブン・ジャパン」が、2025年を目標に「Dream Japan Project 2025」を掲げ、未来を創るアイデアを募集しているという。コンビニエンスストア業界の雄が、来るべき時代を見据え、新たな価値創造に挑む姿勢は、頼もしく映る。AIやIoTといった最先端技術を駆使し、地域社会への貢献や持続可能な社会の実現を目指すというその志は、称賛に値するだろう。
しかし、こうした未来志向の壮大なプロジェクトには、しばしば「足元」への視点が薄れる危うさが潜む。地域社会への貢献を謳うのであれば、まずは地域に根差した店舗運営の強化、そこで働く人々の労働環境の改善、そして地域経済へのさらなる貢献が問われるはずだ。最新技術の導入も重要だが、それが既存の従業員の雇用を脅かすものであっては本末転倒である。
「未来を創る」という言葉に酔うあまり、本来コンビニエンスストアが担うべき、地域住民の日常生活を支えるという地道で不可欠な役割を忘れてはならない。店舗の清潔さ、商品の品揃え、そして何よりも地域住民との温かいコミュニケーション。こうした「当たり前」の積み重ねこそが、揺るぎない信頼の基盤となり、真に地域に愛される店づくりに繋がるのではないか。
もちろん、時代は移り変わる。変化を恐れず、新たな挑戦をすることは、企業の成長にとって不可欠だ。しかし、その「新たな挑戦」が、これまで築き上げてきた信頼や、地域社会との絆を損なうものであってはならない。技術革新と、地域に根差した丁寧な商売。その両立こそが、真に持続可能な未来への道標となるはずだ。
「Dream Japan Project 2025」が、単なる流行り言葉で終わることなく、地域社会の真の発展に貢献する具体的な成果に結実することを期待したい。そのためには、理想を追求するだけでなく、日々の地道な努力と、地域住民の声に真摯に耳を傾ける姿勢が、何よりも重要であろう。
セブン-イレブン、「DREAM JAPAN PROJECT 2025」で未来を創るアイデアを募集！,セブンイレブン
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