若者の声、政治への道筋に 「中央子育て相談所」に期待
和歌山県で設立された「中央子育て相談所」が、令和7年度の学生指導相談員に若者を採用したというニュースは、地域社会の活性化と未来への投資という観点から、大いに注目すべき動きと言えるだろう。
これまで、若者が社会課題の解決に直接関わる機会は限られていた。しかし、この取り組みは、まさに若者の視点や感性を活かし、地域が抱える課題、特に子育て支援といった喫緊のテーマにアプローチしようとする意欲の表れである。学生指導相談員という役割は、彼らにとって貴重な社会経験となるだけでなく、地域社会の担い手としての自覚を育む機会ともなるはずだ。
子育て支援は、少子高齢化が進む現代社会において、どの地域にとっても避けては通れない重要課題である。しかし、その実情や、子育て世代が本当に求めている支援は、往々にして「上の世代」や「専門家」の視点だけでは捉えきれない部分がある。
今回、若者がその一翼を担うことで、より実情に即した、そして未来志向の政策立案やサービス提供に繋がる可能性が生まれる。彼らが持つ柔軟な発想や、デジタルネイティブとしての情報収集能力、そして何より「自分たちがこれから生きていく社会」への当事者意識は、既存の枠組みにはない新しい風を吹き込むだろう。
もちろん、若者の参加には、彼らが十分なサポートを受け、その能力を最大限に発揮できる環境整備が不可欠である。経験豊富な指導者による丁寧な指導や、意見が尊重される風通しの良い組織文化が求められる。また、彼らの意見が単なる「若者の声」として消費されるのではなく、具体的な政策や活動に反映される仕組み作りこそが、この取り組みの真価を問うことになるだろう。
この「中央子育て相談所」の取り組みが、和歌山県を、そしてひいては日本全国の地域社会にとって、若者の力を借りて未来を切り拓くためのモデルケースとなることを願う。若者の声が、政治への、そして地域社会への確かな道筋となるよう、期待を寄せたい。
令和7年度和歌山県中央児童相談所 学習指導員 任用試験、実施決定！ ～子どもたちの成長を支えるやりがいのあるお仕事～,和歌山県
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