「マンゲキ芸人リレコラム」にみる、若手文化の光と影
若手芸人たちが日替わりでコラムを執筆するという、一風変わった企画が幕を開けた。その名も「マンゲキ芸人リレコラム」。興行界の活況を伝える一面としては喜ばしい限りだが、その内容に触れると、現代の若者文化の一端を垣間見ると同時に、若干の危惧を抱かざるを得ない。
お笑いというエンターテイメントは、社会の鏡である。時代を映し出し、人々の心を和ませ、時には鋭い風刺で世相を斬る。この「リレコラム」に登場する若手芸人たちは、まさに現代の若者たちの代弁者と言えるだろう。彼らの言葉は、普段私たちが目にすることのない、彼ら独自の感性や視点に溢れている。SNSでの流行、若者特有の価値観、そして彼らが日々直面するであろう人間関係や葛藤。それらが率直に綴られている様は、まさに「生きた証」として興味深い。
しかしながら、その内容を精査すると、残念ながら一般常識や道徳といった、社会を律する上で不可欠な規範から逸脱しているように感じられる表現も散見される。自らの体験談として綴られているのであろうが、公の場であるコラムという媒体を通して、不特定多数の読者に届けられることを考慮すると、その言葉の選び方や表現の仕方に、もう少し配慮が必要ではないか、と思わざるを得ないのである。
もちろん、若者たちが型にはまった表現ばかりをすることを期待するわけではない。むしろ、彼ら独自の感性を大切にしながら、自由な発想で表現することの意義は大きい。だが、自由とは責任を伴うものであり、その自由な表現が、結果として誰かを傷つけたり、社会の秩序を乱したりするものであってはならない。
「マンゲキ芸人リレコラム」は、彼らにとって自己表現の場であると同時に、社会との接点でもある。この企画が、彼らの才能を開花させ、より多くの人々に愛される存在へと成長するための糧となることを願う。そのためには、本人たちの意識改革はもちろんのこと、彼らを支援する側、そして彼らの言葉を受け止める私たち自身も、この「光」と「影」の両面を冷静に見つめ、健全な文化の醸成に努める必要があるのではないだろうか。
彼らの言葉が、未来への希望を灯す光となることを信じつつ、その歩みを静かに見守りたい。
よしもと漫才劇場「マンゲキ芸人リレーコラム」第322回はシャガール 弓月一日さん！,よしもと漫才劇場
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