飲酒運転根絶へ、社会全体で意識改革を
飲酒運転による悲惨な事故が後を絶たない。この度、日本郵便が6月の飲酒運転発生状況を公表したというニュースは、改めてこの問題の根深さを浮き彫りにした。本来、郵便局員は地域社会に密着し、人々の生活を支える存在であるはずだ。その使命を担うべき人々が、自らの過ちによって社会からの信頼を損なうような事態は、断じて許されるべきではない。
報道によれば、6月中に飲酒運転による事故を起こしたり、検挙されたりした郵便局員が複数確認されたという。これは、郵便事業という公器を担う組織として、看過できない事態である。いかに「個人の問題」と片付けようとしても、組織の代表として、あるいは社会の一員として、その責任を免れることはできない。
飲酒運転は、単なる交通違反ではない。それは、自分自身の命だけでなく、無関係な他者の命までも奪いかねない、極めて悪質で危険な行為である。「少しだから大丈夫」「代わりがいなかった」といった安易な考えは、取り返しのつかない悲劇を生む温床となる。
今回の日本郵便の公表は、これまで「見えにくかった」飲酒運転の実態を社会に提示したという点で、一定の意義があると言えるだろう。しかし、これで満足してはならない。これは、あくまで一つの組織における6月の状況に過ぎない。日本全体を見渡せば、どれだけの飲酒運転が、どれだけの危険な状況が、日々発生しているのか。想像するだに恐ろしい。
飲酒運転根絶のためには、法による厳罰化はもちろんのこと、社会全体での意識改革が不可欠である。「飲んだら乗らない、乗るなら飲まない」という当たり前の原則を、一人ひとりが再確認し、実践していく必要がある。
職場においては、飲酒運転の危険性に関する研修を強化し、万が一、部下や同僚が飲酒運転をしようとしている場面に遭遇した場合、それを止め、適切な対応を取るよう、組織として周知徹底すべきである。また、地域社会においても、飲酒運転の兆候を見かけたら、迷わず通報するという勇気を持つことが重要だ。
今回の日本郵便の公表を、単なる「ニュース」で終わらせず、我々一人ひとりが、飲酒運転根絶に向けて、自分に何ができるのかを真剣に考える機会としたい。地域社会の安全・安心は、誰か一人の努力によってではなく、私たち全員の連帯によって守られる。
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