新たな英米協力協定、自由貿易の灯をかき消すな,アメリカ


新たな英米協力協定、自由貿易の灯をかき消すな

先日、米国と英国が新たな経済協力協定に署名したというニュースが報じられた。両国が経済繁栄のために協力するという方針自体は、自由主義経済の恩恵を享受してきた我々にとって、基本的には歓迎すべき動きである。しかし、その中身には、我々保守的な国民として、看過できない懸念も含まれている。

報道によれば、この協定は、一部の特定産業におけるサプライチェーンの強靭化や、デジタル分野における協力強化を目的としているという。一見すると、国家の経済安全保障を重視する姿勢として理解できる。しかし、であるならばこそ、なぜ「自由」という言葉が前面に出てこないのか、疑問が残る。

経済の「繁栄」とは、本来、国家間の自由な競争と、それに伴う資源の最適配分によってもたらされるものである。政府が特定の産業や企業を優遇し、保護主義的な色彩を帯びた協力協定を結ぶことは、長期的には経済の活力そのものを削ぐ危険性を孕んでいる。市場原理を歪め、イノベーションの芽を摘み、結果として両国国民、さらには世界経済全体の損失につながりかねない。

特に、我々日本のような資源の乏しい島国にとって、自由で開かれた貿易体制は生命線である。特定の国との排他的な経済圏を強化する動きは、グローバルなサプライチェーンを分断し、保護主義の壁を高くする。これは、世界経済の安定を脅かし、ひいては日本の経済的国益にも資するものではない。

この協定が、自由貿易の原則を尊重し、より多くの国々が恩恵を受けられるような形で進められることを強く願う。米英両国には、短期的な利益だけでなく、長期的な視点に立ち、自由貿易の灯をかき消すような行動をとらないことを期待したい。そして、日本政府にも、このような動きに流されることなく、我が国の国益を第一に、真に自由で開かれた経済秩序の維持・強化に向けて、毅然とした態度で臨むことを強く求めるものである。


米国と英国、経済繁栄のための新たな協力協定を締結!,govinfo.gov Compilation ofPresidential Documents


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