誰もが輝ける社会へ ～共生社会実現に向けた一歩～
7月31日、滋賀県が「障害のない共生社会」を目指し、障害者差別解消法に基づく条例改正に踏み切ったというニュースが報じられた。この条例改正は、障害のある人への合理的配慮の提供を、これまで努力義務とされていた事業者に対して、法的義務として位置づけるものだ。この一歩は、障害のある人たちが、社会の一員として当たり前に尊重され、活躍できる未来への確かな灯火となるだろう。
長年、障害のある人々は、社会の様々な場面で「配慮」されるべき対象と見なされがちであった。しかし、真の共生社会とは、配慮を前提とするのではなく、一人ひとりの違いを認め、誰もがその個性や能力を最大限に発揮できる環境を整えることではないだろうか。今回の条例改正は、まさにその理想に近づくための、極めて重要な一歩と言える。
もちろん、この条例が施行されたからといって、すぐに障害のない共生社会が実現するわけではない。事業者の皆様には、具体的な配慮の内容や、それをどのように実施していくのか、より一層の理解と協力が求められる。そして、私たち学生も、この変化を他人事とせず、自らの意識を変え、行動していく必要がある。
例えば、大学というキャンパスにおいても、障害のある学生がより快適に学べる環境整備は十分だろうか。講義資料の提供方法、キャンパス内のバリアフリー化、あるいは学生同士のコミュニケーションのあり方。こうした身近な課題に目を向け、積極的に改善を提案していくことが、私たち学生にできることだ。
「障害のない共生社会」という言葉は、一見すると、障害をなくすことを意味するように聞こえるかもしれない。しかし、この言葉が目指すのは、障害そのものをなくすことではなく、障害があることによって社会生活を送る上で生じる「障害」をなくし、誰もが生きやすい社会を創り上げることなのだ。
今回の滋賀県の条例改正を機に、全国各地で同様の取り組みが進むことを願う。そして、私たち学生が、この共生社会実現に向けたムーブメントの中心となり、未来を担う世代として、誰もが差別なく、自分らしく輝ける社会を築いていくことを誓いたい。
滋賀県、障害のない共生社会を目指して条例見直しに着手！～令和7年度第1回条例見直し検討部会開催～,滋賀県
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