（社説）防衛力強化、国民の理解と支えが不可欠
防衛費増額を巡る政府の議論が、いよいよ具体的な段階に入った。来年度予算案への盛り込みに向け、防衛省は大幅な増額を求めており、その財源確保策についても検討が進められている。国際情勢の緊迫化、特に近隣諸国における軍事力の増強は、我が国が直面する安全保障環境の厳しさを改めて浮き彫りにしている。こうした状況下で、国民の生命と財産を守るための防衛力の強化は、国家として当然の責務であり、その必要性については多くの国民も理解しているところであろう。
しかし、防衛力強化のためには、相応の負担が伴うことも忘れてはならない。増額される防衛費は、将来世代へのツケ回しにならないよう、国民生活への影響も十分に配慮しながら、着実に、そして納得のいく形で確保される必要がある。安易な増税論に飛びつくのではなく、歳出改革や既存財源の有効活用といった、あらゆる選択肢を国民に開示し、丁寧な説明を尽くすことが、国民の理解と協力を得るための第一歩である。
また、防衛力の強化は、単に装備を更新したり、予算を増やしたりするだけでは十分ではない。国民一人ひとりが、自国の安全保障について関心を持ち、その重要性を認識することが、真の国防意識の醸成に繋がる。政府には、防衛政策の透明性を高め、国民との対話を深める努力を期待したい。防衛力の強化は、国家の存立基盤を盤石にするための投資であり、その成否は、国民全体の意思と支えにかかっているのである。
2025年度 予算・調達情報！自衛隊への入札参加資格について、申請・変更手続きが更新されました,防衛省・自衛隊
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