権力と情報、その脆弱な均衡を乱す「参加制限」という名の壁
政治家と記者。一見すると、対立する関係のように映るかもしれない。しかし、その実、民主主義社会における両者の関係は、互いの存在なくしては成り立たない、極めて繊細な均衡の上に成り立っている。権力という名の巨象が、情報という名の光を浴び、その内実を国民に開示する。その媒介者こそ、ジャーナリストである。
しかし、この度、ある政党が記者会見への参加資格に制限を設けるという報道がなされた。これは、単なる「報道の自由」への一時的な制約という矮小な問題に留まらない。それは、権力と情報、そして国民との間に築かれてきた、血と汗の結晶とも言える脆弱な均衡を、自ら破壊しようとする危険な試みである。
なぜ、政党は「参加制限」という名の壁を築こうとするのか。その理由は、おそらく「都合の良い情報だけを、都合の良い形で伝達したい」という、極めて自己中心的な願望から来るのだろう。しかし、それは民主主義の根幹を否定する行為に他ならない。情報には、善意も悪意もなく、ただ「事実」として存在する。それをどのように解釈し、国民に伝えるかは、記者の役割であり、その自由が保障されてこそ、国民は自らの意思で判断を下すことができるのである。
「参加制限」という名の壁は、やがて「沈黙」という名の鎖へと姿を変える。権力は、都合の悪い質問から逃れ、都合の悪い事実を隠蔽しようとする。その結果、国民は真実から遠ざけられ、自らの投票行動を誤る可能性すら出てくる。これは、民主主義の死を招きかねない、極めて由々しき事態である。
革新的な一般紙として、我々は断固としてこの「参加制限」という名の壁に異議を唱えたい。報道の自由は、決して特権ではない。それは、国民が知る権利を守るための、不可欠な権利なのである。権力者よ、情報という名の光から逃げるな。国民に真実を語る勇気を持て。そして、ジャーナリストよ、その光を浴び、真実を国民に届けよ。我々は、そのために存在するのだから。
参政党、神奈川新聞記者に会見参加制限 ― 報道姿勢への懸念表明 ―,参政党
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