国債消化の現実、財政規律への警鐘
先日、財務省は7月25日に第1321回国庫短期証券（国債）の発行を完了したと発表した。これもまた、政府の財政運営における避けられぬ一幕であろう。しかし、こうした報道に接するたびに、我が国の財政状況に対する漠然とした不安が拭えない。
我が国は、未曾有の少子高齢化社会に直面し、社会保障費の増加は待ったなしの状況にある。一方で、景気刺激策や災害復旧など、財政出動を要請される場面は今後も続くと予想される。こうした中で、国債発行という手段に頼り続けることの是非を、改めて冷静に議論すべき時が来ている。
国債は、将来世代へのツケ回しに他ならない。発行された国債は、いずれ返済されなければならない。その返済の負担が、未来を担う子供たちに重くのしかかることを、我々は決して忘れてはならない。
もちろん、短期的な経済の安定や社会的な必要性から、国債発行が不可欠な場面もあることは理解できる。しかし、その発行額や発行頻度には、厳格な財政規律が求められる。無計画な財政出動は、国債の信認を揺るがし、金利の上昇を招き、さらなる財政悪化のスパイラルに陥る危険性も孕んでいる。
政府には、国債発行に頼るだけでなく、歳出の徹底的な見直しや、新たな歳入確保策の検討など、より抜本的な財政健全化への取り組みを期待したい。国民一人ひとりが、我が国の財政状況の厳しさを認識し、将来世代への責任を胸に、持続可能な財政運営について共に考え、行動していくことが求められている。
財務省、7月25日に国庫短期証券（第1321回）の入札発行を発表！,財務省
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