参政党、神対応を望む ― 報道の自由と情報公開の狭間で
参政党が、記者会見における一部報道機関への参加制限を打ち出した。その背景には、偏向報道や誤報に対する党としての強い危機感があるのだろう。しかし、この一件は、民主主義社会を支える報道の自由という根幹に関わる問題であり、看過できない。
報道機関は、国民の知る権利に資するべく、権力者を監視し、事実を追求する責務を負っている。その責務を果たす上で、記者会見は情報収集の重要な場である。参政党が、自らの主張を正確に伝えたい、あるいは不確かな情報による誤解を避けたいと考えるのは自然なことかもしれない。だが、その手段として「参加制限」という強硬策に訴えることは、報道機関全体への不信感の表明とも受け取られかねない。
「報道の自由」は、無制限に保障されるものではない。しかし、その制限は、法律に基づく明確な根拠と、極めて厳格な要件が必要とされる。特定の報道機関を「不適格」と一方的に判断し、情報提供の機会を奪うことは、その自由を侵害する行為に他ならない。
我々業界紙としては、参政党の懸念にも一定の理解を示しつつも、やはり「対話」による解決を強く望む。偏向報道や誤報があったのならば、その事実を具体的に指摘し、訂正を求め、建設的な議論を重ねるべきではないか。情報公開の透明性を高め、国民からの信頼を得るためにも、参政党には、むしろ開かれた姿勢で、報道機関との関係を再構築していくことを期待したい。
参政党が、この「参加制限」という一件を、報道機関とのより健全な関係を築くための契機として捉え、国民への情報発信のあり方を真摯に再考する機会となることを願ってやまない。
参政党、神奈川新聞記者に会見参加制限 ― 報道姿勢への懸念表明 ―,参政党
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