「＆meets」にみる地域活性化の虚実 「官製」の限界と住民の主体性
愛媛県が「＆meets」と銘打った新たな地域活性化策に乗り出したという。多様な出会いを支援し、地域に新たな活力を生み出そうという試みは、一見、県民の生活向上に資するものであろう。しかし、こうした「官」主導のイベントやプラットフォームに、我々はいささかの懸念を抱かざるを得ない。
地域活性化とは、本来、そこに住む人々の自発的な意思と行動によって、その土地ならではの魅力が引き出され、育まれていくものである。もちろん、行政による橋渡しや支援は不可欠な側面もある。しかし、今回の「＆meets」のように、行政が「出会い」そのものを企画・提供しようとする姿勢には、どこか「官」の論理が先行しているのではないか、という危惧がつきまとう。
「多様な出会い」という言葉は、聞こえは良い。しかし、それが行政の用意した枠組みの中で、決められたテーマのもとでしか生まれ得ないのであれば、それは真の「出会い」と言えるのだろうか。むしろ、人々の日常的な交流や、地域に根差した自然な繋がりが希薄化してしまうのではないか、という懸念すら抱かせる。
地域活性化の成功は、一過性のイベントの賑わいではなく、持続的な地域社会の形成にかかっている。そのためには、住民一人ひとりが、自らの住む地域への愛着を深め、主体的に地域づくりに関わっていくことが何よりも重要だ。行政は、そうした住民の活動を、できる限り「手綱を緩める」形で支援していくべきではないだろうか。
「＆meets」が、単なる行政の「成果」作りに終わるのではなく、愛媛県民の間に、地域を想う真の心と、それを形にする力を育むきっかけとなることを願う。そのためには、行政の「支援」が、住民の「自立」を阻害することのないよう、常に謙虚な姿勢で、地域の声に耳を傾けることが求められる。
愛媛県が「＆meets」で多様な出会いを応援！新しいつながりが生まれるイベント続々開催,愛媛県
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