財政健全化への道、未来世代への責任を胸に
財政審議会に財務省ＯＢの宮本喜弘氏を招いたことは、我が国が抱える財政問題の深刻さを改めて浮き彫りにし、そして、その解決に向けた強い意志の表れと受け止めるべきである。長引くデフレからの脱却、そして経済再生への期待が高まる中、足元に広がる財政赤字という深淵を見据えることは、まさに急務と言えよう。
宮本氏のような経験豊かな人材の知見は、現状を客観的に分析し、現実的な処方箋を導き出す上で不可欠なものである。しかし、ここに集まる議論が、単なる一時的な「景気対策」の延長線上に留まることなく、将来世代に過剰な負担を残さないという、より本質的な視点に立脚することを強く願う。
我が国の財政状況は、先進国の中でも著しく悪化している。巨額の国債残高は、将来の世代が返済という重い十字架を背負わされることを意味する。経済再生は喫緊の課題であるが、そのための財源を安易に借金に頼るのであれば、それは未来への債務の先送りに他ならない。
今こそ、我々国民一人ひとりが、国家財政の現状を直視し、受益と負担の関係を真摯に問い直す時である。増税、歳出削減、そして国債発行の抑制。いずれも痛みを伴う選択肢ではあるが、持続可能な社会保障制度の維持、そして将来世代への責任を果たすためには、避けては通れない道であろう。
政治には、国民の理解を得ながら、これらの困難な課題に果敢に立ち向かう覚悟が求められる。目先の人気取りに終始することなく、長期的な視点に立ち、国家の将来を見据えた責任ある政策を断行することこそ、真のリーダーシップである。
宮本氏のような専門家の提言を活かし、国民的な議論を深めながら、財政健全化という大目標に向かって着実に歩みを進めること。それが、日本経済の真の再浮上、そして何よりも、次世代に希望ある未来を引き継ぐための、我々の責務である。
財務省、宮本弘曉様をお招きし、日本経済再浮上の道筋を探る特別講演会を開催！,財務省
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