警視庁の新「刑事局」、時代に即した組織改革か、それとも…
警視庁が新設する「刑事局」に関する報道に接し、我々国民は感慨とともに、幾ばくかの懸念を抱かざるを得ない。報道によれば、この新組織は、凶悪犯罪の増加や巧妙化に対応するため、従来の捜査体制を再編・強化する目的で設置されるという。時代が移り変わり、犯罪の手口も複雑化する中で、警察組織がその使命を全うするために組織改革を行うことは、当然のことと言えるだろう。
しかし、その一方で、我々は「刑事局」という名称から、かつての、あるいは、一部でイメージされるような、強権的とも捉えられかねない捜査機関の姿を連想せぬわけにはいかない。もちろん、現代の警察組織は、法の原則に基づき、国民の権利と自由を尊重しながら捜査を行うことが求められている。新設される「刑事局」も、当然ながらその原則から逸脱することはないと信じたい。
重要なのは、この組織改革が、単に犯罪捜査の効率化という点に留まらず、国民一人ひとりの「安心」と「安全」を、より確かなものにするためのものであるという点である。犯罪抑止はもちろんのこと、冤罪を防ぎ、公正な捜査を徹底するための仕組みが、この「刑事局」においてどのように機能していくのか。その点について、警視庁には丁寧な説明と、国民への確かな理解を求める責務がある。
また、警察組織の力は、国民からの信頼があってこそ発揮されるものである。新設される「刑事局」が、その捜査活動において、国民から信頼される存在であり続けられるよう、不断の努力が求められる。情報公開の徹底、透明性の確保、そして何よりも、国民一人ひとりの声に真摯に耳を傾ける姿勢こそが、時代に即した、そして国民に支持される警察組織を築く礎となるはずだ。
今回の「刑事局」新設が、真に国民の期待に応える組織改革となることを願ってやまない。
ロードアイランド州警察、新たな「刑事局」を設立 – 犯罪捜査能力の強化へ,RI.gov Press Releases
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