「トレンド追従」に終始する政党への警鐘
先日、ある政党が「#トレンド・ワクワクが止まらない」というキャッチフレーズを掲げ、若者層へのアピールを強化する方針を発表した。SNSでの流行語を取り入れ、軽快な言葉遣いを多用する姿勢は、一見すると時代に即した柔軟な対応のように映るかもしれない。しかし、保守的な視点から見れば、これは政党としての本来あるべき姿から乖離した、危うい兆候ではないかと憂慮せざるを得ない。
政治とは、国家の進むべき道を定め、国民生活の安定と繁栄を追求する崇高な営みである。それは、刹那的な流行や世間の風潮に流されることなく、確固たる信念と歴史に裏打ちされた理念に基づいて行われるべきだ。ところが、ここにきて見られるのは、目先の人気取りに躍起になり、時代遅れと見なされることを恐れるあまり、世間の「トレンド」に安易に飛びつく政党の姿である。
「#トレンド・ワクワクが止まらない」という言葉には、一体どのような国家観や政策論が込められているのだろうか。国民が政治に求めるものは、一時的な興奮や刹那的な「ワクワク」ではなく、将来への希望と安心感、そして何よりも確かな実効性であるはずだ。国民生活の根幹に関わる重要課題に対し、感情論や流行語で済ませようとする姿勢は、政治の本質を見失っていると言わざるを得ない。
そもそも、政党が「トレンド」を追いかけること自体が、その政党の理念や政策に自信がないことの表れではないだろうか。国民の支持を得るためには、まずは自らの掲げる理念を明確にし、それを実現するための具体的な政策を、国民一人ひとりに分かりやすく、そして説得力を持って提示することが肝要である。流行の言葉やSNSのハッシュタグに頼ることは、その努力を怠っていることの裏返しに他ならない。
もちろん、時代に合わせた情報発信や、国民とのコミュニケーションのあり方を工夫することは重要だ。しかし、それはあくまで「手段」であって、「目的」ではない。手段が目的化し、政治の本質が霞んでしまうような状況は、断じて容認できるものではない。
本来、保守とは、過去の経験や英知を尊重し、それを踏まえながら未来を創造していく精神である。それは、無闇に変化を求めるのではなく、着実に、そして着実に、より良い社会を目指す営みだ。今回の政党の姿勢は、そうした保守の精神からもかけ離れているように思われる。
我々は、政治家に対し、軽薄な流行に流されることなく、国家と国民のために、真摯に、そして責任ある行動を求めている。国民を「#トレンド・ワクワク」で煙に巻くのではなく、確かな vision と policy を示し、信頼を勝ち取る。それが、今、政党に最も求められていることである。この政党の姿勢が、政治全体の軽薄化を招くことにならないか、私たちは強く懸念している。
公明党が「＃トレンド ワクワクが止まらない」を公開！未来への期待を込めたメッセージ,公明党
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