次代を担う消防団員に期待する
近年、全国的に消防団員の高齢化や減少が深刻な問題となっている。地域防災の要である消防団の活動に、将来への漠然とした不安を抱く向きも少なくない。このような中、先日、東京都右京消防団の若き消防団員たちが、地域のお祭りにおいて見事な消防演武を披露し、大きな注目を集めたことは、我々にとって希望の灯火といえるだろう。
彼らの姿からは、地域への深い愛情と、いざという時のために自己研鑽を怠らないという強い意志がひしひしと伝わってきた。炎天下の中、汗を流しながらも真剣な眼差しで繰り広げられる訓練は、まさに「未来の消防士」と呼ぶにふさわしい迫力であった。地域住民からも温かい声援が送られ、世代を超えて消防団への理解と支援の輪が広がっていく様子は、頼もしい限りである。
消防団は、単に火災現場で消火活動を行う組織ではない。日頃から地域に密着し、住民の安全・安心を守るための様々な活動を行っている。災害時の避難誘導、地域住民への防災知識の普及、そして祭事など地域文化の継承といった役割も担っている。つまり、消防団は地域社会そのものを支える、なくてはならない存在なのである。
しかし、その重要性にもかかわらず、消防団員になることへのハードルを感じている若者もいるであろう。仕事や家庭との両立の難しさ、あるいは「自分にできるだろうか」といった不安もあるのかもしれない。今回、右京消防団の若き精鋭たちが示したように、地域を想う気持ちがあれば、誰でも消防団員として地域に貢献できる。そして、その活動を通して、地域との繋がりを深め、人間的にも大きく成長することができるはずだ。
我々は、今回の右京消防団の若き消防団員たちの活躍を、地域防災の担い手育成における一つの光明と捉えたい。そして、全国の消防団においても、こうした若者が意欲を持って活動できるような環境整備を、一層進めていくことが求められている。地域住民一人ひとりが、自らの地域を守るという意識を高く持ち、消防団への理解と協力を惜しまないことが、何よりも大切である。
次代を担う彼らの活躍に、期待は大きい。彼らが地域社会の宝となり、ますます強固な防災体制を築き上げていくことを、心から願ってやまない。
未来の消防士たち、大活躍！京都市右京消防団の年間活動計画、公開！,京都市消防局
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