若者よ、公務の道へ ― 安定だけではない、やりがいある選択肢 ―
若者の公務員離れが囁かれる昨今、名古⼠屋市が令和7年度の春に実施する採⽤試験では、試験制度の拡充が図られるという。行政事務職に加え、より実践的な経験を積める「行政（行専）」区分が新設され、多様な人材の確保を目指す。このような取り組みは、単に「安定」というイメージに縛られがちな公務員の魅力を再発見し、次代を担う若者たちに新たな選択肢を提示するものとして、大いに評価されるべきだろう。
かつて公務員は、終身雇用という言葉と共に、将来への不安を抱える若者にとって、羨望の的であった。しかし、時代の変遷と共に、民間企業は多様な働き方やキャリアパスを提示し、魅力的な報酬や充実した福利厚生を打ち出すようになった。それらに比べ、公務員のイメージは、ややもすると旧態依然としたものと映り、魅力に乏しいと捉えられがちであったのも事実である。
だが、今回の名古⼠屋市の試みは、公務の現場が単なる「安定」だけではない、むしろ社会に直接貢献できる「やりがい」に満ちた世界であることを、改めて示唆している。特に新設される「行政（行専）」区分は、より専門性の高い知識やスキルを活かし、市民の生活に密着した行政サービスを担う人材を育成するという意図が伺える。これは、現代社会が抱える複雑な課題に対し、専門性と機動性を持った人材の必要性を認識している証左と言えるだろう。
もちろん、公務員という仕事には、厳しい規律や国民全体の奉仕者としての責任が伴う。しかし、その責任の重さこそが、社会を支えるという誇りと、他では得難い充実感をもたらす源泉でもある。変化の激しい時代だからこそ、市民生活の安定と向上に貢献できる公務員の役割は、ますます重要性を増している。
若者諸君に問いたい。目先の利益や華やかさだけでなく、自らの能力を活かし、社会に貢献するという長期的な視点に立った時、公務という道は、決して色褪せることのない、輝かしい選択肢となり得るのではないか。名古⼠屋市に続く自治体の広がりにも期待しつつ、若い世代が公務の魅力に気づき、意欲的に門戸を叩くことを願ってやまない。
名古屋市 令和7年度春実施採用試験（行政・行政（教養型））合格発表！未来のまちづくりを担う人材を募集,名古屋市
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