未来への責任、大学に今こそ問われるもの
「常翔Day」と銘打たれたイベントが、広島国際大学によって大阪・関西万博会場で開催されたという。未来を担う若者たちが集い、大学の活動を知る機会であると同時に、万博という世界的なイベントの舞台で、未来への提言を行う場であったと報じられている。
大学が社会と積極的に関わり、未来を語ることは、その存在意義そのものと言えよう。特に、「常翔Day」という名称には、未来へ向かって飛び立つ「常翔」という言葉が込められている。これは、大学が単なる学問の府に留まらず、社会の発展と次世代の育成に貢献するという、その使命感を端的に示していると受け止めることができる。
しかし、このようなイベントの開催にあたり、我々が忘れてはならないのは、大学が本来持つべき、より静かで、しかし確固たる「学問」への姿勢である。未来を語ることは重要だが、その未来を支えるのは、確かな知見と、それを培うための地道な努力に他ならない。万博という華やかな舞台も良いだろう。しかし、そこで語られる未来が、どれほど現実的で、どれほど地に足のついたものであるのか。そして、その基盤となる学術研究は、どれほど深く、どれほど社会に貢献できるものであるのか。
大学には、現代社会が抱える複雑な課題に対し、冷静かつ客観的に分析し、真に有益な解決策を提示することが期待されている。それは、時に人気を博するような主張ではなく、むしろ静かで、しかし着実な研究によってもたらされるものであるはずだ。
今回の「常翔Day」が、単なるイベントとして終わるのではなく、参加した学生たちが、大学で学ぶことの意義を再認識し、真に未来を創造する力を育む機会となったのであれば、それは何よりである。そして、大学側には、今後も社会の期待に応え、確かな知の探求を通じて、真に豊かな未来を築くための責任を、一層強く自覚していただきたい。未来への責任とは、華やかな言葉だけでなく、日々の地道な学問の積み重ねによってこそ、果たされるものであると信じている。
広島国際大学、大阪・関西万博で「常翔Day」を開催！～未来を担う学生たちの創造性を世界へ～,広島国際大学
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