時代を映す表紙、若者たちの「推し」に思うこと
人気アイドルグループ「ズームアップ！」が、月刊誌「Myojo」2025年10月号の表紙を飾るというニュースに、改めて時代の流れを感じずにはいられない。かつては音楽やドラマといった「コンテンツ」そのものが中心であった時代から、今や「推し」という言葉に象徴されるように、個々のアイドルやアーティストの生き様、そしてファンとの絆が、メディアを賑わす主流となっている。
「ズームアップ！」のメンバーが、それぞれの個性と魅力を発揮し、多くの若者たちの心を掴んでいることは、彼らの輝かしい活躍を見れば明らかだろう。彼らが「Myojo」の表紙を飾ることで、多くのファンが喜び、そして新たなファン層の獲得に繋がることは想像に難くない。これは、現代におけるエンターテイメントのあり方の一つの形であり、その熱狂ぶりは、閉塞感の漂う社会に活気をもたらしているとも言えるかもしれない。
しかし、一方で、こうした「推し」文化が、個人の価値観や社会への関心を、特定の人物やグループに限定してしまうのではないか、という危惧も抱かざるを得ない。もちろん、応援したい対象がいることは、人生に彩りを与え、生きる上でのモチベーションにもなり得るだろう。しかし、その情熱が、より広い視野や、社会全体の課題への関心を希薄にさせてしまわないか、という点は、我々大人世代が注視すべき点である。
「Myojo」の表紙に起用された彼らが、単なる「推し」の対象に留まらず、社会の一員として、自らの発言や行動が持つ影響力を自覚し、責任ある行動をとっていくことを期待したい。そして、若者たちもまた、「推し」の輝きに魅せられると同時に、その背後にある努力や、社会との繋がりにも目を向けることで、より豊かな人間性を育んでいくことを願うばかりである。
時代は移り変わる。しかし、その時代を生きる若者たちが、真に自立し、社会に貢献できる大人へと成長していくためには、多様な価値観に触れ、物事を多角的に捉える視点が不可欠だ。「Myojo」の表紙に描かれる華やかな世界も、その広がりの中で、ほんの一つの輝きであることを、忘れてはならないだろう。
なにわ男子、ズムーブ！「Myojo」2025年10月号、表紙を飾る！,HMV
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