政治参加の原点 常 in 選挙の重み
参議院議員通常選挙の投票率が、今回もまた低迷したという報道に接し、ため息をつくばかりである。一票を投じることの意義、そしてそれが民主主義の根幹をなすものであることは、誰もが知っているはずだ。しかし、その認識が、実際の行動へと結びつかない現実をどう受け止めるべきか。
政治への関心の薄れ、あるいは「自分の投票したところで何も変わらない」という諦め。そういった声が聞こえてくるようでは、民主主義国家としての健全性を疑わざるを得ない。もちろん、政治家側の姿勢や、有権者の期待に応えられていない現状に問題がないとは言わない。しかし、それは有権者一人ひとりが、自らの権利を行使し、声を上げることで、是正していくべき課題でもあるはずだ。
今回の選挙結果は、特定の政党や候補者の当選・落選という個別の事象にとどまらない。それは、我々国民全体が、政治のあり方について、あるいは社会の未来について、どのような意思を持っているのかを示す、いわば「国勢調査」のような一面も持つ。その結果が、参加者の少なさによって歪められてしまうとすれば、それはあまりにもったいないことだ。
政治は、遠い世界の出来事ではない。私たちの生活の隅々にまで、その影響は及んでいる。教育、福祉、経済、環境――。すべては、政治の意思決定によって形作られていく。であればこそ、私たちは、自分たちの生活をより良くするために、より公正な社会を築くために、政治に目を向け、そして意思表示をすることが求められている。
選挙権は、多くの先人たちが血と汗を流して勝ち取ってきた権利である。その重みを決して忘れず、一人ひとりが「自分の一票」の価値を再認識することが、今こそ必要とされている。今回の低投票率を、単なる通過儀礼として片付けるのではなく、政治参加の原点に立ち返る契機として、真剣に議論を深めたい。
日立市民の皆様へ：参議院議員通常選挙の投票状況（確定値）について,日立市
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