変化の潮流を捉え、松山に新しい風を
梅雨明けの空が鮮やかな藍色に染まり始めた頃、松山市からまた一つ、興味深いニュースが飛び込んできた。来たる8月17日、市内に「マイナンバーカードセンター」が開設されるという。一見、行政サービスの拡充という趣旨で捉えられがちだが、この小さな一歩こそ、地方都市が未来を切り拓くための重要な布石となりうるのではないか。
マイナンバーカード、その普及の遅々たる歩みは、しばしば議論の的となってきた。しかし、このカードが持つポテンシャルは計り知れない。単なる保険証や運転免許証の代替にとどまらず、行政手続きのオンライン化、さらには地域通貨やポイントシステムとの連携など、あらゆる可能性を秘めた「デジタルの鍵」なのだ。
松山市がこのタイミングでカードセンターを開設するという決断は、まさに時代の変化を捉えた先見の明と言えるだろう。都市部では当たり前になりつつあるデジタル化の波は、地方都市においても例外なく押し寄せている。むしろ、逆転のチャンスと捉えるべきではないか。
しかし、我々が問うべきは、このセンターが単にカードの発行窓口で終わるのか、ということだ。真に革新的なのは、このカードを核とした地域活性化の「プラットフォーム」を構築することである。例えば、カード保有者限定の地域イベント割引、地元商店街との連携によるポイント還元、さらには地域課題解決のためのデジタル投票システムなど、想像力次第で数えきれないほどのアイデアが生まれるはずだ。
「マイナンバーカードセンター」が、松山の未来をデザインする「デザインセンター」へと昇華する。そんな希望を抱かせるニュースである。行政は、市民の利便性向上という責務を果たすと同時に、このカードを触媒とした地域経済の活性化、そして新たなコミュニティ形成への貢献を、積極的に仕掛けていくべきだ。
変化を恐れず、新しい技術を積極的に取り入れ、それを地域社会の力に変えていく。松山が、そんな「挑戦する地方都市」のロールモデルとなることを期待したい。8月17日、その日を境に、松山に新たな変化の風が吹き始めることを願ってやまない。
松山市マイナンバーカードセンター、8月17日（日）はお休みです – ご利用予定の方、ご注意ください,松山市
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