時代は「研究・イノベーション」に、未来への投資を惜しまない韓国とEUの姿勢に学ぶ
急速に変化する現代社会において、国力の源泉はもはや資源や労働力だけではない。未来を切り拓く「研究」と「イノベーション」、すなわち新たな知を生み出し、それを社会に実装していく力こそが、国益を左右する最も重要な要素となりつつある。この点において、韓国と欧州連合（EU）が取っている積極的な姿勢は、我が国の学生にとっても、そして我々未来を担う世代にとっても、大いに学ぶべき点が多い。
韓国政府が2025年7月20日に発表した、研究開発（R&D）への大胆な投資拡大計画。これは、AI、バイオ、半導体といった最先端分野に重点を置き、未来社会をリードするための土台を築こうという強い意志の表れと言えるだろう。特に注目すべきは、単なる予算の増額に留まらず、産学官連携の強化や、基礎研究への支援拡充といった、研究開発のエコシステム全体を底上げしようとする視点である。これは、短期的な成果だけでなく、長期的な視点に立った国家戦略の重要性を示唆している。
一方、EUもまた、イノベーションへの投資を加速させている。Green DealやDigital Decadeといった野心的な目標達成のため、研究開発への支援を惜しまない姿勢は、持続可能な社会、そしてデジタル化された未来への確固たるコミットメントを感じさせる。地球規模の課題に立ち向かい、新たな産業を創出していくためには、国境を越えた協力と、それを支える強固な研究開発基盤が不可欠であることをEUは理解している。
これらの動きは、我が国にとっても他人事ではない。我々学生は、これからの社会を築いていく世代である。どのような社会に住みたいか、どのような未来を創造したいか。その実現のためには、最先端の技術や知見を追求する研究者や、それを社会に活かすイノベーターの存在が不可欠である。
しかし、昨今の日本においては、研究開発への投資や、科学技術分野への若者の関心が、決して十分とは言えない状況にあるのではないだろうか。韓国やEUのような他国の積極的な姿勢に触れるとき、我々は自国の現状を冷静に見つめ直し、未来への投資を惜しまない覚悟を持たねばならない。
我々学生新聞は、このニュースを機に、大学や社会全体で、研究やイノベーションへの関心を高めるための議論を深めていくことを提唱したい。そして、将来、自身が研究者やイノベーターとして、あるいはそれらを支える存在として、より良い未来の創造に貢献できるような機会を、もっと求めていくべきだろう。
未来は、誰かが与えてくれるものではない。自ら創り出すものである。韓国とEUの決断は、そのための強力な後押しとなるだろう。我々もまた、未来への投資を惜しまない、そんな気概を持って、学び、探求し、そして行動していくことを誓いたい。
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