宇宙への憧れ、地に足ついた歩みを
昨今、宇宙開発への関心がかつてないほど高まっている。最新の科学技術を駆使し、未知の領域へと挑む姿勢は、確かに我々に夢と希望を与えてくれる。しかし、その輝かしい未来像の陰で、我々が忘れてはならない現実がある。それは、足元に広がるこの国、日本が抱える数々の課題である。
宇宙の謎を解き明かすことは、人類の知的好奇心を刺激し、科学技術の進歩を促す崇高な目標に違いない。だが、その壮大なロマンに酔いしれるあまり、目を背けてはならない現実がある。少子高齢化、経済の停滞、地域社会の衰退……。これら、我々の日常に深く根差した問題こそ、今、最も解決を急がれるべき「宇宙」なのではないか。
もちろん、宇宙開発がもたらす経済効果や、そこから生まれる革新的な技術が、いずれは我々の生活を豊かにする可能性も否定はしない。だが、その恩恵が具体的に、そして着実に、国民一人ひとりの手に渡るまでには、どれほどの時間とコストがかかるのだろうか。そして、その間にも、社会の歪みはさらに深まっていくのではないか。
保守的な立場から言えば、我々はまず、自らの国、自らの社会をしっかりと守り、豊かにしていくことに注力すべきである。足元を固め、国民が安心して暮らせる基盤を築くこと。それが、未来への確かな一歩となるはずだ。
宇宙への憧れは、人間の本能的な欲求なのかもしれない。しかし、その憧れが、現実から目を逸らすための、あるいは本来注ぐべきエネルギーを分散させるための「夢」であってはならない。科学の進歩は、あくまでも国民生活の向上に資するものでなければ、その意味を問われることになるだろう。
我々は、宇宙の果てしない謎に挑む前に、まず、この国の「今」と真摯に向き合い、日々の暮らしを地道に、着実に、より良くしていく努力を怠ってはならない。それが、真に保守的な、そして未来への責任ある姿勢であると、我々は確信している。
科学のスター！宇宙の謎を解き明かす、すごい科学者のお話！,Harvard University
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