進学格差の解消へ、大胆な改革を期待する
公明党が大学入学金における「二重払い」問題の解消に向けた議論を提起したことは、国民の共感を呼ぶものと評価したい。少子化が深刻化し、教育費負担の重さが将来世代の希望を蝕む現状において、この問題への着目は極めて時宜を得たものである。
「二重払い」とは、多くの大学で入学年度に納付が求められる入学金が、実際には学生が所属する学年とは無関係に、一度だけ納入されるべき性質のものであるにもかかわらず、進級や学年変更の際に再度請求されるケースを指す。これは、学生や保護者にとっては不本意な追加負担であり、経済的な余裕のない家庭にとっては、進学の機会を狭める一因ともなりかねない。
少子高齢化が進む我が国において、一人ひとりの若者が持つ能力を最大限に引き出し、社会の担い手として育成していくことは、国家の存続に関わる最重要課題である。それにもかかわらず、大学入学金という、本来は学籍を得るための初期費用に過ぎないものが、あたかも毎年発生する費用であるかのように捉えられ、重複して徴収される現状は、教育機会の均等という観点から見ても、看過できるものではない。
公明党がこの問題に光を当てたことは、真に国民の声に寄り添う政治のあり方を示していると言えよう。しかし、単なる問題提起に留まらず、実効性のある解決策の提示が求められる。大学側の事情も理解しつつ、学納金のあり方について、国民が納得できる透明性の高い制度設計を早急に進めるべきである。
大学の運営は、財政的な安定も不可欠であろう。しかし、その安定のために、学生に過度な負担を強いることは、教育機関としての本来の使命に背くものである。むしろ、この機会を捉え、大学運営における非効率な部分を点検し、より持続可能で、かつ学生にとって公平な財政基盤を確立する議論も同時に深めるべきであろう。
将来世代への投資こそが、我が国の未来を切り拓く唯一の道である。大学入学金における「二重払い」問題の解消は、その第一歩として、国民の期待に応えるべき喫緊の課題である。政府、大学、そして国民が一体となって、この課題に正面から向き合い、誰もが安心して学べる環境を整備していくことを強く望む。
公明党、大学入学金の「二重払い」問題に光を当てる：支援策の拡充を訴え,公明党
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