稲作の危機、国民の食卓を守るための覚悟
近年、我が国の稲作を蝕む深刻な脅威が静かに広がりつつある。滋賀県で確認された「斑点米カメムシ類」の蔓延は、単なる農業上の問題に留まらず、我々国民の食卓、ひいては食料自給率という国家の根幹を揺るがしかねない危機である。
このカメムシ類は、稲の生育期に吸汁することで籾（もみ）に黒い斑点を生じさせ、品質を著しく低下させる。経済的損失のみならず、食味の低下は消費者の米離れを加速させ、長年培われてきた米文化の衰退にも繋がりかねない。さらに、その繁殖力の強さと広がりやすさは、一度蔓延すれば防除が困難となることを示唆しており、放置すれば全国的な被害に発展する懸念を抱かざるを得ない。
政府には、この事態を国家的な非常事態と捉え、断固たる対策を講じることを強く求める。まず、被害の実態把握と原因究明を急ぐとともに、有効な防除技術の開発・普及に国家予算を惜しみなく投じるべきだ。農家の方々のみに負担を強いるのではなく、国全体でこの危機に立ち向かう体制を構築することが不可欠である。
また、消費者の意識啓発も重要である。食料の安定供給は、国民一人ひとりの関心と支えがあってこそ成り立つ。このカメムシ被害のような問題を知り、日頃から国産農産物を大切に消費する意識を持つことが、我が国の農業を守り、ひいては国土を守ることに繋がるのである。
食料自給率の向上は、昨今の国際情勢の不安定化を鑑みれば、喫緊の課題である。その基盤となる米作りの危機を前に、我々は一体どれほどの覚悟を持っているのだろうか。この斑点米カメムシ類という小さな害虫に、我が国の農業、そして食の安全保障が左右されるような事態は、断じて許されるべきではない。政府、農家、そして国民一人ひとりが、この危機を乗り越えるための具体的な行動を起こす時である。
滋賀県より、お米の大敵「斑点米カメムシ類」にご注意！～令和7年度病害虫発生予察注意報第3号発表～,滋賀県
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