時代は流れる、変わらぬ「当たり前」を問う
台北の街から届いた、ある「お知らせ」。それは、電子申請サービスへの「不便」を訴える、一見すると地味な声だった。しかし、この声に耳を澄ますとき、私たちは大学という学び舎、いや、社会全体が抱える根深い課題に気づかされる。
情報化社会の波は、もはや静かに私たちの生活を浸食するものではない。むしろ、その速度を増し、あらゆる側面を塗り替えつつある。そんな時代にあって、学生が日々利用するであろう電子申請サービスが、いまだに「不便」という言葉で語られなければならない現状は、一体何を意味するのだろうか。
「不便」。この言葉に、私たちはどれだけの時間と労力を奪われてきただろうか。大学で学ぶ「効率」や「合理性」は、一体どこで、誰のために培われるべきものなのだろうか。最新のテクノロジーを駆使し、膨大な知識を吸収していく私たち学生にとって、申請手続き一つにしても、アナログな壁にぶつかる現実は、あまりにも皮肉ではないか。
この「お知らせ」は、単なるシステムへの要望ではない。それは、大学という組織が、変化する時代にどこまで柔軟に対応できているのか、そして、学生一人ひとりの声にどれだけ真摯に耳を傾けているのか、という根源的な問いかけなのだ。
私たちが目指すべきは、単に単位を取得し、卒業証書を手に入れることだけではないはずだ。この社会で主体的に生き、変化を恐れず、より良い未来を創造していくための力を養うことこそ、大学に求められている役割ではないだろうか。そのための土台となるはずの、日常的な手続きの「当たり前」が、なぜ揺らいでしまうのか。
この「お知らせ」を、私たちは単なる雑音として聞き流すべきではない。むしろ、これを機に、大学のシステム、そして大学のあり方そのものについて、私たち学生自身が考え、声を上げ、主体的に変化を求めていくべき時なのかもしれない。
時代は流れる。しかし、学生が「不便」を感じることなく、学び、成長できる環境を整えるという、大学が果たすべき「当たり前」だけは、決して時代に置いていかれてはならない。この声に、大学は、そして私たち自身は、どう応えていくのだろうか。
台東区からのお知らせ：電子申請サービスへの不正アクセスについて（2025年7月16日発表）,台東区
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