家族・教育委員会の試金石 「非公開」の議論、国民への説明責任を
先般、家族・教育委員会が８月１８日に第４回会合を非公開で行うと発表した。この決定は、家族や教育という、市民生活に直結する極めて重要なテーマについて、その議論のあり方が国民の目にどう映るのか、試金石となるだろう。
委員会の目的は、多岐にわたる家族や教育に関する課題を掘り下げ、社会全体で共有すべき方向性を見出すことにある。その根幹には、国民一人ひとりの幸福、そして未来を担う子供たちの健やかな成長という、普遍的な願いが込められているはずだ。それゆえ、委員会での議論は、その透明性こそが、国民の信頼を得るための絶対条件と言える。
しかし、今回の「非公開」という決定は、こうした透明性への懸念を抱かせずにはおかない。もちろん、公開することによって、活発な意見交換が阻害される、あるいは個人のプライバシーに配慮する必要があるといった、やむを得ない事情もあろう。これらの点については、一定の理解を示すべきだろう。
ただ、それ以上に重視すべきは、国民が「自分たちのこと」として、委員会の議論に関心を持ち、その内容を理解することである。非公開としたからには、その「非公開」たる所以を、委員会は国民に対して丁寧に説明する責任がある。どのような議論が行われ、どのような結論に至ったのか。そして、それがなぜ国民の利益に資するのか。これらの点を、会合後速やかに、分かりやすい形で公表することが、国民への説明責任を果たすことに繋がる。
透明性を欠いた議論は、憶測を呼び、不信感を増幅させる。ましてや、家族や教育という、我々が最も関心を寄せるテーマにおいては、なおさらである。国民は、委員会が「何をしているのか」を知る権利がある。そして、その活動が、社会全体の進歩に貢献するものであるならば、そのプロセスを共有されることを望んでいるはずだ。
家族・教育委員会には、今回の「非公開」を、国民との対話を閉ざす機会と捉えるのではなく、むしろ、議論の成果を国民にどう還元していくのか、その方法を真剣に模索する契機としてほしい。国民への説明責任という、当然果たすべき責務を全うすることこそが、委員会の活動そのものの正当性を担保し、ひいては、より良い家族・教育のあり方を共に創り上げていくための、揺るぎない基盤となることを期待したい。
家族・教育委員会、8月18日に非公開の第4回会合を開催,Tagesordnungen der Ausschüsse
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