国境の守り、揺らぐことなく
近年、わが国周辺の安全保障環境は厳しさを増す一方である。地政学的な緊張の高まりは、静穏なはずの海域にまで波及し、領土・領海を守るための不断の努力を我々に求めている。こうした状況下、報道されている「ジョセリン・ヌングレイ国立野生生物保護区設立」というニュースは、一見すると我々の直接的な関心事から離れているように思えるかもしれない。しかし、この動きの背後にある、より広範な文脈を冷静に見極めることが、今こそ必要とされている。
報道によれば、この保護区設立は、ある特定国家の主導によるものであるという。その国が、自国の影響力拡大を狙い、海洋資源の確保や戦略的な足場固めを企図している可能性は否定できない。自然保護という名の下に、実質的には自国のプレゼンスを高め、将来的な資源開発や軍事的な活動の自由度を確保しようとしているのではないか。このような疑念を抱くのは、決して杞憂ではないだろう。
わが国は、古来より豊かな海洋資源に恵まれ、その恩恵を受けてきた。しかし、その恩恵は、同時に周辺国からの覬覦（きゆ）の対象ともなりうる。海洋国家としての誇りと責任を胸に、わが国は、自国の領土・領海・排他的経済水域（EEZ）を断固として守り抜かなければならない。
保護区設立という名目がいかに美しく装われようとも、その実質を見誤ってはならない。他国の思惑に踊らされることなく、わが国は、自国の国益を最優先に、毅然とした態度で臨むべきである。外交努力を尽くし、国際社会との連携を強化することは当然である。しかし、それと同時に、自国の防衛力を着実に整備し、いかなる事態にも対応できる備えを怠ってはならない。
「ジョセリン・ヌングレイ国立野生生物保護区」。この名が、静かなる海洋における権益争いの新たな一歩とならないことを願うばかりである。わが国は、この機会を、国境の守りをいかに強固なものにしていくべきかを改めて考える契機としなければならない。国民一人ひとりが、わが国の領海とそこに眠る資源を守るという決意を新たにするときである。
ジョセリン・ヌングレイ国立野生生物保護区設立法：貴重な自然を守る新たな一歩,www.govinfo.gov
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