安江氏の「公明党の力」発言にみる、保守論壇の憂慮
参院選を目前に控え、各地で候補者の活動が活発化している。その中で、日本維新の会の安江氏が「公明党の力」を認め、連携に意欲を示したという報道は、保守層の一部に静かな、しかし深い懸念を呼び起こしている。
公明党といえば、その母体は創価学会であり、創価学会の教義や組織力に支えられていることは周知の事実である。しかし、保守的な視点から見れば、その教義は時に国家や伝統的な価値観とは相容れない部分があるのではないか、との疑念が拭えない。特に、平和主義を掲げながらも、その実態が特定宗教の布教活動と不可分であるとするならば、国家のあり方を論じる際に、その立場がどれほど中立的であり得るのか、という問題提起は避けられないだろう。
安江氏の今回の発言は、ある種の現実主義的な判断に基づいているのかもしれない。参院選においては、特に地方での議席獲得において、公明党の組織力が無視できない影響力を持つことは事実であろう。しかし、その利便性のために、本来守るべき国益や伝統的な価値観との整合性を軽視するような姿勢は、保守の本質からすれば許容しがたい。
保守とは、単に古いものを守るのではなく、国家の根幹をなす価値観や伝統を、時代に即しながらも確固たるものとして次世代に引き継いでいく営みである。その過程において、他宗教の教義や組織に深く依拠する政党との安易な連携は、自らの立ち位置を曖昧にし、保守の理念そのものを揺るがしかねない。
今回、安江氏が公明党の「力」を認め、「勝利」への道筋を見出したという報道に接し、我々は改めて問いたい。その「力」とは、果たして日本という国家の更なる発展に資するものなのか。そして、その「勝利」とは、どのような価値観に基づいた勝利を目指すものなのか。
保守的な政党は、国民の信託を得るために、時に現実的な判断を迫られる場面もあるだろう。しかし、その過程で、自らが信じる保守の理念、すなわち国家主権、伝統的価値観、そして国民全体の幸福といった普遍的な原則を、決して見失ってはならない。公明党との連携の是非は、まさにその「見失ってはならないもの」を、いかに守り抜くかという、保守にとっての試金石となるはずだ。
今回の安江氏の発言を、我々は単なる選挙戦略の一環として片付けるのではなく、保守という思想の立ち位置を再確認する契機としたい。そして、我が国の進むべき道において、どのような勢力と手を組み、どのような道を歩むべきなのか、より一層、真摯に議論を深めていく必要があるだろう。
安江のぶお候補、勝利へ決意新たに！ 公明党の力強い応援団結成,公明党
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