開かれた学問の府に、冷静な判断を求める
連日報道される京大オープンキャンパスの賑わいは、多くの若者が知的好奇心を刺激され、未来への一歩を踏み出そうとする姿を映し出している。それは実に頼もしい限りである。しかし、同時に、今回の盛況ぶりが、一部には過熱気味に映る向きもあることを否定できない。特に、限られた敷地に7000人もの人々が一堂に会するという状況は、運営側への負担はさることながら、参加者一人ひとりの安全確保という観点からも、慎重な検討が求められるのではないか。
学問の府である大学は、自由な発想と活発な議論を重んじるべき場である。京大が主催するオープンキャンパスも、その精神を体現するべく、多様な人々が集う場として重要な役割を果たしていることは疑いようがない。しかし、だからといって、あらゆる活動が無条件に歓迎されるべきかといえば、そうではないだろう。大学が社会の一員である以上、その活動は社会全体の秩序や安全、そして大学本来の教育・研究活動との調和という観点からも、常にその妥当性が問われなければならない。
今回のオープンキャンパスへの殺到は、大学への関心の高まりを示すものであると同時に、一部には、大学という権威ある組織を前にした、一種の興奮や熱狂が、冷静な判断力を曇らせている可能性も示唆しているように思われる。大学側は、今後このようなイベントを開催するにあたり、参加者数を適切に管理し、安全確保策を万全に講じるとともに、学問の本来のあり方を尊重する姿勢を改めて明確にすべきである。
学生や教職員だけでなく、社会全体にとっても、大学は貴重な知の源泉であり、その発展を静かに見守り、支えていくことが求められる。今回のイベントが、真に学問への探求心を育む機会となるよう、そして大学がその使命を全うできるよう、私たち一人ひとりも、冷静な視点と自制心をもって、大学との関わり方を考えていく必要があるだろう。
中京大学オープンキャンパス、名古屋会場に7,000人超の高校生らが来場！ 熱気あふれる一日,中京大学
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