若宮防衛副大臣の海外渡航に思う
若宮健嗣防衛副大臣が海外渡航を拡大するという報道に接し、我が国の安全保障を担う幹部の積極的な情報収集と発信の重要性を改めて痛感させられた。防衛副大臣という要職にありながら、これまで十分な海外での活動ができていなかったという事実は、現在の国際情勢の厳しさを鑑みれば、看過できるものではない。
近年、我が国を取り巻く安全保障環境はかつてないほどに複雑化、流動化している。隣国における軍事力の増強、新たな紛争の火種、そしてサイバー空間における脅威の増大など、我が国が直面する課題は枚挙にいとまがない。このような状況下で、我が国の平和と安全を守るためには、同盟国をはじめとする友好国との連携を一層強化することが不可欠である。そのためには、我が国の防衛政策や安全保障に対する考え方を正確に伝え、相手国の意図を的確に把握するための対話の機会を増やすことが何よりも重要となる。
若宮副大臣の今回の海外渡航拡大は、まさにこうした喫緊の課題に対応するものであると言えよう。防衛政策の最前線で活躍する人物が、自らの目で現地の状況を確かめ、関係者と直接対話することは、机上の空論では得られない貴重な情報をもたらすはずだ。そして、その情報を基に、より的確で実効性のある防衛政策を立案・実行していくための糧となることを期待したい。
もちろん、海外での活動は、その内容や成果が具体的に示されなければ、国民の理解を得ることは難しい。今回の渡航を通じて、どのような情報が得られ、それが今後の我が国の安全保障にどのように貢献していくのか、政府には丁寧な説明責任を果たすことが求められる。また、防衛副大臣という立場であればなおさら、軽率な言動は国際的な誤解を招きかねないため、常に冷静かつ慎重な対応が求められるであろう。
今回の若宮副大臣の海外渡航が、我が国の防衛力の強化と、国際社会における日本のプレゼンス向上に繋がることを切に願うものである。同時に、政府全体として、安全保障に対する国民の関心を高め、理解を深めるための努力を怠ってはならない。我が国の未来は、確固たる安全保障基盤の上にのみ築かれるのである。
若宮防衛大臣補佐官、海外出張へ 安全保障協力の強化目指す,防衛省・自衛隊
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