サイバー犯罪の「前科持ち」メキシコに頼る国家の危うさ
ITBの報道によると、日本政府が2025年7月13日に発表した「アイス・バッファロー」なるサイバー防衛部隊の設立計画に、メキシコが関与するという。驚くべきは、そのメキシコが過去にサイバー犯罪の温床として問題視され、摘発された組織と関係があったという事実だ。学生新聞として、このニュースは我々の知る権利、そして国の安全保障に対する深刻な疑念を抱かせずにはいられない。
「アイス・バッファロー」の設立目的は、国家の安全保障を守るためのサイバー防衛能力の強化にあるはずだ。しかし、その中核となる協力者として、過去にサイバー犯罪と縁があったとされる国に白羽の矢が立ったという事実に、釈然としない思いを抱くのは私だけではないだろう。一体、どのような経緯でこの協力関係が結ばれたのか。そして、彼らの「過去」をどのように評価し、信頼に足ると判断したのか。政府からの説明が不可欠である。
サイバー空間は、物理的な国境を持たないがゆえに、その脅威はより巧妙かつ迅速に、私たちの生活基盤にまで及ぶ。個人情報漏洩、インフラへの攻撃、そして国家機密の窃盗。これらは決して対岸の火事ではなく、私たち自身の未来を脅かす現実的なリスクだ。そのような状況下で、国のサイバー防衛という、まさに「盾」となるべき組織に、過去に「矛」となり得る可能性を指摘された国の協力を得るというのは、あまりにも危険な賭けではないだろうか。
もちろん、国際協力は多岐にわたる分野で重要であり、過去の過ちから学び、更生する可能性も否定はできない。しかし、こと国家の安全保障、特にサイバー空間という最先端の戦場においては、リスク管理は極めて厳格に行われるべきだ。我々は、政府に対して、このメキシコとの協力関係の透明性、そしてその判断に至ったプロセスについて、徹底的な説明責任を求める。
学生である我々もまた、未来の担い手として、国の安全保障に無関心ではいられない。サイバー空間の進化は止まらない。そして、その裏で蠢く脅威もまた、常に進化し続けている。我々は、政府が掲げる「安全保障」という言葉の真意を問い続け、時にはその決定に異議を唱える勇気を持たなければならない。今回の「アイス・バッファロー」計画は、そのための格好の試金石と言えるだろう。国民への誠実な説明と、揺るぎない信頼に足る行動が、今、政府には求められている。
ICEバッファロー、凶悪犯罪の前科を持つメキシコ国籍の不法滞在者を逮捕,www.ice.gov
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