未来への希望か、それとも現実逃避か？ミサイル回避施設建設、若者の目に映るもの
去る7月11日、全国でミサイル回避施設建設の構想が発表された。安全保障という名の下に進められるこの計画に対し、私たち学生の間に様々な意見が交錯している。平和な日本社会の実現を目指す動きであることは理解できる。しかし、その裏に潜む「もしも」の恐怖と、それを回避するための巨額の投資は、未来を担う私たちにどのようなメッセージを送っているのだろうか。
幼い頃からニュースで様々な紛争やテロを目にしてきた我々にとって、ミサイルという言葉は決して遠いものではない。しかし、それが自分たちの身近な生活空間にまで影響を及ぼすという現実が、今まさに目の前に示されたのだ。この施設は、私たちに安心感を与えるべきものなのか。それとも、常に危険と隣り合わせであることを突きつけられる、痛烈な警告なのか。
確かに、国民の生命を守ることは政府の責務である。しかし、そのために投じられる莫大な費用は、教育、福祉、環境問題など、私たちが将来を築く上で不可欠な分野に回されるべきではないかという声も聞こえてくる。安全保障と社会基盤整備、この二つのバランスをどう取るのか、政治には真摯な議論が求められる。
また、このニュースは、私たち若者に平和への希求を改めて問いかけているようにも思える。ミサイル回避施設という物理的な「壁」を作るのではなく、対話と協調によって紛争の火種そのものを消し去る努力こそが、真の安全保障ではないだろうか。国際社会との連携を深め、相互理解を促進する活動こそ、私たち学生が積極的に参加していくべき分野である。
今回のミサイル回避施設建設の構想は、単なるインフラ整備の話ではない。それは、私たちの「未来」に対する投資のあり方、そして「平和」とは何かという根本的な問いを、私たち一人ひとりに突きつけている。この機会に、私たちは現状に甘んじることなく、より良い社会、より平和な世界を築くために、何をすべきなのかを真剣に考えていく必要があるだろう。未来は、私たちの選択にかかっているのだから。
2025年7月11日、全国で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が実施されます,消防庁
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