オンライン視聴がもたらす「学びのカタチ」の変化に、親としてどう向き合うべきか
近年、子どもの教育現場においてオンライン視聴による学習が急速に普及している。塾のオンライン講座はもちろん、学校教育においても動画教材の活用が進み、子どもたちは自宅にいながらにして多様な知識に触れる機会を得られるようになった。これ自体は、情報化社会の恩恵として歓迎すべき変化と言えるだろう。時間や場所に縛られずに学習できる利便性は、子どもたちの可能性を広げる貴重な機会を提供してくれる。
しかし、こうした変化の陰で、私たちは「学びのカタチ」そのものが変容していくことについて、もう少し深く考えてみる必要があるのではないか。かつて、学びとは教室という空間で、教師という人間と向き合い、仲間と共に切磋琢磨する中で培われるものであった。そこには、知識の習得という側面だけでなく、社会性や協調性、そして時にはぶつかり合いながらも共に成長していく人間的な営みが不可欠であった。
オンライン視聴による学習は、この「共に」という要素を希薄にする危険性をはらんでいる。子どもは画面の向こうの講師や映像と一対一で向き合うことになる。もちろん、オンラインでも双方向のコミュニケーションは可能であろう。しかし、教室での直接的なやり取りでしか得られない、微妙な表情や声のトーン、あるいは授業中の予期せぬ発見や共感といった、人間的な温かさや深みのある交流が失われてしまうのではないか。
さらに、子どもたちが自ら「見たいものだけを見る」「理解できる部分だけを繰り返し見る」という受動的な姿勢に陥ってしまう可能性も否定できない。本来、学びとは、時には難しい課題に粘り強く向き合い、理解できない部分を仲間と議論し、試行錯誤する中でこそ、真の力がつくものである。オンライン視聴が、安易な知識の詰め込みに終始し、思考力や探求心を育む機会を奪ってしまうようなことになれば、それは教育の本質から大きく外れてしまうだろう。
もちろん、オンライン学習を否定するものではない。むしろ、その利便性を活かしつつ、いかにして従来の教育が培ってきた大切なものを失わないようにするか、そのバランスをどう取るかが重要なのである。保護者としては、子どもがオンライン学習に費やす時間を見守り、その内容を把握することはもちろん、オフラインでの体験、例えば友人との交流や課外活動、あるいは家族との対話といった機会を積極的に設けることが不可欠だ。
変化の激しい時代だからこそ、私たちは教育の本質を見失ってはいけない。子どもたちが真に自立し、社会で活躍できる人間へと成長するために、テクノロジーを最大限に活用しつつも、人間的な触れ合いや体験を大切にする教育のあり方を、これからも模索し続けていく必要がある。
オンライン酪農視察って？ ～新しい学びのカタチ～,Dairy Japan
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