移民政策の「強化」は誰のための強化なのか
先日、国会において、与党である民主党の議員による移民政策強化に向けた発言が活発に行われているというニュースが報道された。この動きに対し、私たちは改めて、移民政策の「強化」が一体誰のために、どのような目的で行われようとしているのかを深く問い直す必要がある。
報道によれば、民主党は、特に不法滞在者や犯罪歴のある移民に対する取り締まりを強化し、さらに厳格な入国管理体制を構築することを目指しているという。確かに、治安維持や社会秩序の確保は、国家にとって最も基本的な責務であり、国民の安全を守ることは当然のことだ。しかし、一方で、少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化する我が国において、移民の受け入れは経済活性化のための重要な施策の一つでもあるはずだ。
こうした状況下で、移民政策の「強化」という言葉だけが先行し、その具体的な内容や影響について十分な議論がなされていない現状に危惧を覚える。果たして、単なる「排除」や「取り締まり強化」という方向性だけが、我々が目指すべき移民政策の姿なのだろうか。
私たちは、移民を単なる「労働力」としてだけでなく、多様な文化や価値観をもたらす存在として捉え、共生社会の実現を目指すべきではないだろうか。そのためには、法制度の整備はもちろんのこと、受け入れ側の社会全体の意識改革も不可欠である。日本語教育の充実、就労支援の強化、そして、彼らが地域社会に溶け込めるような環境整備こそが、「強化」されるべき本来の姿なのではないか。
学生新聞として、私たちは、社会の未来を担う者として、この問題から目を背けることはできない。表層的な安全保障の議論にとどまらず、より包括的で、多様性を尊重する移民政策のあり方について、活発な議論を巻き起こしていく必要がある。移民政策の「強化」とは、国民の安心・安全を守ると同時に、社会全体の持続的な発展と共生社会の実現に繋がるものであるべきだ。そのための真摯な議論と、具体的な行動が、今、私たちに求められている。
民主党の言動がICE（移民・税関執行局）への激しい攻撃を招く？ ホワイトハウスの主張,The White House
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