時代は変わるも、変わらぬ家計の重荷
令和7年度税制改正大綱が公表された。毎年のことながら、この時期になると、国民の多くは家計への影響に一喜一憂する。今回の改正も例外ではなく、様々な変更点が盛り込まれているという。
報道によれば、今回の改正では、これまで議論されてきた所得税や法人税の見直しに加え、新たな税制の導入や既存の税制の拡充も検討されているようだ。特に、少子高齢化が進む我が国において、社会保障費の増大に対応するための財源確保は喫緊の課題であり、税制改正は避けては通れない道であることは理解できる。
しかし、こうした財源確保の必要性は、これまでも幾度となく国会で議論されてきたはずだ。国民は常に、増税の波に晒され、家計の負担は増すばかりである。そして、その負担増に見合うだけの、目に見える社会保障サービスの質の向上や、将来への明確な展望が示されているかと言えば、正直なところ、疑問符が付かざるを得ない。
もちろん、今回の税制改正においても、国民生活への配慮や、経済成長の促進といった言葉が並べられているだろう。しかし、現実の生活の中で、多くの国民が実感できる恩恵は限られているのが現状ではないだろうか。
社会保障制度を持続可能なものとするためには、増税は避けて通れないのかもしれない。だが、その一方で、政府には国民の声を真摯に受け止め、無駄な支出の削減や、より効果的な財政運営に努める責任がある。税金を納めることは国民の義務であるが、その税金がどのように使われ、将来どのような形で還元されるのかは、国民が当然に知る権利である。
今回の税制改正が、国民の不安を払拭し、将来への希望を持たせるようなものであることを願うばかりである。そして、政府には、常に国民の声に耳を傾け、より公平で、より実効性のある税制へと、着実な歩みを進めてもらいたい。家計の重荷を少しでも軽くするために、そして、持続可能な社会保障制度を築くために、国民と政府が共に汗を流す覚悟が求められている。
令和7年度税制改正の解説、本日公開！～あなたの暮らしとお財布に何が？～,財務省
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