霞が関の新しい「指針」に冷静な目を
金融庁がこのほど公表した「新しい資本主義」に関する新たな指針は、多くの国民の生活に直接関わるものとして注目を集めている。しかし、その内容を精査するにつけ、我々一般市民はまず冷静さを保ち、その実効性について慎重に吟味する必要があるだろう。
政府が掲げる「新しい資本主義」とは、一体何を目指しているのか。これまでも様々な経済政策が打ち出されてきたが、その多くは期待されたほどの効果を発揮せず、国民生活の改善には繋がらなかったという現実を忘れてはならない。今回の指針も、表面的な言葉の響きに惑わされることなく、その裏にある実質的な中身を見極めることが肝要である。
特に気になるのは、新たな資本主義の推進が、果たしてこれまで以上に国民の安定した暮らしを保障するものとなるのかという点だ。社会の安定なくして、国民一人ひとりの豊かな生活はあり得ない。経済の活性化と、それを支える社会の安定性とのバランスを、政府はどのように考え、どのように実現しようとしているのか。その具体策が、今回の指針の中で明確に示されているのか、我々は厳しく問う必要がある。
また、金融庁がこうした経済政策の指針を打ち出すこと自体は、決して悪いことではない。しかし、その決定プロセスにおいて、国民の声がどれだけ反映されているのか、広く国民的な議論が尽くされているのかといった点も重要視されるべきだろう。霞が関の一部の官僚が描く理想論だけでは、国民の多様なニーズに応えることはできない。
我々は、経済の変革を求める声には耳を傾けつつも、過去の教訓を忘れず、一歩一歩着実に、国民一人ひとりの生活の安定と向上を目指すべきである。今回の金融庁の指針が、そのための確かな一歩となるのか、それとも単なる絵に描いた餅に終わるのか。国民は、政府の今後の具体的な行動を、冷静に見守っていく必要があろう。
暮らしに役立つ？ 金融庁が発表した新しい方針をわかりやすく解説！,金融庁
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