日英防衛協力を深化させる好機
我が国と英国が防衛分野で協力関係を深化させることは、日米同盟を基軸とする我が国の安全保障政策にとって極めて有益である。今回の防衛相会談は、変化し続ける国際情勢の中で、両国が自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携を一層強化する上で、重要な一歩となるであろう。
英国は、欧州における主要な防衛大国であり、その先進的な装備や訓練のノウハウは高く評価されている。一方、日本は、東アジアにおける地政学的なリスクに直面し、防衛力の抜本的な強化を進めている。このような状況下で、両国の防衛当局者が直接対話し、具体的な協力の在り方について協議することは、相互理解を深め、具体的な成果に繋がる可能性を大いに秘めている。
特に注目されるのは、共同訓練の実施や装備品の共同開発といった分野である。これらの協力が進めば、我が国の防衛力の質的向上に大きく寄与することは疑いもない。また、英国の海洋進出の動きとも連携し、インド太平洋地域の安定に貢献していくことは、我が国の外交・安全保障戦略の根幹をなすものである。
もちろん、防衛協力の深化には慎重な検討も必要である。国民の理解を得ながら、国益に資する形で着実に進めていくことが肝要であろう。しかしながら、今回の会談が、日米同盟を補完し、より強固な安全保障体制を構築するための新たな可能性を開いたことは間違いなく、我が国が進むべき安全保障政策の方向性を示すものでもあると確信している。
中谷防衛大臣、日英伊防衛相会合へご出席～国際連携で地域の平和と安定を目指す～,防衛省・自衛隊
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