学生新聞コラム：国防への眼差し、若者の声こそ未来を拓く
先の「国防大臣記者会見（7月8日）」の記事に触発され、我々学生の国防に対する関心のあり方について深く考えさせられている。国防という言葉は、とかく遠い存在のように感じられがちだ。しかし、その実、私たちの安全で豊かな生活、そして未来そのものを守るための基盤であることに疑いの余地はない。
今回の会見で語られた内容は、技術革新や国際情勢の変化といった、時代に即した国防のあり方が模索されていることを示唆している。防衛費の増額や新たな装備の導入など、具体的な施策に目が向きがちだが、私はそれ以上に、そうした決定がどのような考え方に基づき、どのような未来を目指しているのかという「目的」の部分にこそ、学生の視点からの問いかけが必要だと考える。
もちろん、私たち学生は国防の専門家ではない。しかし、だからこそ、純粋な疑問や理想、そして現状への違和感を率直に投げかけることができる存在でもあるはずだ。例えば、なぜ今このような防衛体制が必要なのか。そして、その先にどのような社会を実現したいのか。単に「安全保障のため」という言葉で片付けられるのではなく、その具体的なプロセスや目指すべき姿について、より開かれた議論が求められているのではないだろうか。
特に、少子高齢化が進む我が国において、将来の国防を担うのは私たち若い世代である。であれば、自分たちの世代が納得し、主体的に関われるような国防のあり方を、今まさに議論していくことが不可欠だ。技術の進歩が目覚ましい現代において、国防の形もまた柔軟に変化していくべきだろう。AIやサイバーセキュリティといった新しい分野での専門性の育成や、国際協力の重要性など、私たちの関心や能力が活かせる領域は広がりつつある。
今回の会見を単なる情報として受け流すのではなく、これを機に、身近な問題として国防について考えてみるきっかけとしてほしい。そして、もし疑問や意見があれば、それを声に出して伝える勇気を持ってほしい。大学のゼミで、友人との会話で、あるいはインターネット上のプラットフォームで。小さな声であっても、それが集まれば大きな力となる。
国防は一部の人々だけのものではない。それは、この国に生きる私たち一人ひとりの未来に関わる問題であり、私たち自身が未来を創っていくための重要な要素なのだ。若者の眼差しが、より平和で、より確かな未来への道を照らすと信じている。
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