「今」こそ問われる、警察学校の「今」という現実
先日、神奈川県警が警察学校の新設にあたり、旧警察学校の敷地内にある「今」と刻まれた石碑をそのまま活用することを発表した。このニュースを聞き、筆者は一抹の危惧を抱かざるを得ない。なぜなら、「今」という言葉は、私たちに過去の教訓を忘れず、未来へ向かう決意を促すものであり、単なる歴史の証人として過去に留まるものではないからだ。
確かに、時代は移り変わり、警察を取り巻く環境も大きく変化した。しかし、その根本にある「国民の安全と安心を守る」という使命は、今も昔も変わることはないはずだ。この「今」という石碑に込められた意味を、現代の警察学校がどのように受け止め、次世代の警察官に伝承していくのか。そこにこそ、我々国民が求める「警察のあり方」への答えがあるのではないだろうか。
警察学校は、将来を担う警察官の育成を担う重要な機関である。そこで学ぶ者は、厳しい訓練と共に、法の下の平等を守り、人権を尊重する精神を叩き込まれるべきだ。しかし、昨今の社会情勢を見ると、警察に対する不信感や批判の声も少なくない。このような状況下で、警察学校が単に過去の遺物を「活用」するだけで、そこから新たな「今」を創造しようとする気概が見られないとすれば、それは国民の期待を裏切る行為と言わざるを得ない。
「今」という石碑を前に、警察学校の教官たちは何を語るべきなのか。過去の偉業を称賛するだけでは、現代の若者を惹きつけることはできないだろう。むしろ、過去の過ちから何を学び、未来にどう活かすのか、という「今」を生きる我々の責任を問いかけるべきではないか。そして、その「学び」を通じて、新たな時代の警察官としてのあるべき姿を、熱く、力強く語りかけることこそが求められているはずだ。
神奈川県警がこの石碑をどのように活用するのか、今後の動向を注視していきたい。しかし、もしこれが単なる演出であり、その背後に「今」を生きる我々が直面する課題への真摯な向き合いが見られないのだとすれば、それは非常に残念なことである。我々は、過去の遺物を大切にすると同時に、未来を見据え、常に進化し続ける「今」の警察を必要としている。この石碑が、その象徴として、新たな時代を切り拓く警察官たちの羅針盤となることを切に願う。
神奈川県警がお届けする、警察学校の「いま」がわかる！「ポリスフェス in 警察学校」開催のお知らせ,神奈川県警
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