東京証券取引所の迷走、グローバル化の波は荒波となるか
東京証券取引所の定める規則改定に関するニュースは、日本の株式市場における「現状維持」という名の停滞を改めて浮き彫りにした。今回の改定は、旧規則と新規則の比較表という形で提示されたが、その内容は、あたかも過去の遺物を前にしながら、未来への明確な一歩を踏み出すべき時代の要請に背を向けているかのようだ。
グローバル化の進展は、経済活動のあり方を根底から変えつつある。世界中の資本が国境を越えて自由に流れ込み、技術革新は日進月歩で新たな産業を生み出している。このようなダイナミックな世界経済の中で、東京証券取引所の今回の対応は、あまりにも受動的であり、未来への洞察を欠いていると言わざるを得ない。
確かに、市場の安定性や投資家の保護は重要な要素であろう。しかし、その保護が革新の芽を摘み取り、市場全体の魅力を低下させるのであれば、それは本末転倒である。今回の規則改定が、過去の慣習にとらわれ、大胆な改革への意思表示に欠けている点は、日本の経済が直面する課題の本質を捉えきれていない証拠と言えるだろう。
「新たな投資機会の創出」や「市場競争力の強化」といった言葉が踊るが、その実態は、既得権益を守り、変化を恐れる姿勢の表れではないかという疑念を抱かざるを得ない。このままでは、日本の株式市場は国際的な潮流から取り残され、海外からの投資を呼び込むどころか、むしろその扉を固く閉ざしてしまうことになるだろう。
グローバル化という荒波を乗り越え、日本の経済を再び活気づけるためには、東京証券取引所には、より大胆で、より未来志向の改革が求められる。過去の成功体験に囚われるのではなく、世界の潮流を見据え、積極的に変化を受け入れる柔軟性こそが今、最も必要とされているのではないだろうか。今回の規則改定が、むしろその鈍重さを露呈させた結果となったことを、私たちは真摯に受け止めるべきである。
日本取引所グループ、規則改正新旧対照表を更新！ – より安全で透明性の高い市場を目指して,日本取引所グループ
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