未曽有の時代、国防外交の羅針盤となるべきは「対等な対話」である
昨日報じられたジョージア駐日大使との会談は、我々が生きるこの時代の特異性を改めて浮き彫りにした。国防という、本来国家の最も神聖な領域に関わる事項を、一国の長官が外国大使と率直に語り合う。これは、もはや専守防衛という言葉だけでは捉えきれない、複雑で流動的な国際情勢への必然的な対応と言えるだろう。
しかし、この国防外交の活発化を前に、我々は単なる「情報交換」や「協力要請」といった表面的な出来事に目を奪われるべきではない。真に革新的な一般紙が問うべきは、その根底にある理念、そしてそれが我々の社会に投げかける問いである。
ジョージアという国は、かつてソ連という超大国の支配下にありながら、その独立と主権を守り抜こうと지금も奮闘している。その歴史と現在の置かれた状況を鑑みれば、国防に対する彼らの思い、そして他国との安全保障協力にかける熱意は、我々が想像する以上に深いものがあるはずだ。
今回の会談は、単に軍事的な脅威に対する共同対処の糸口を探る以上の意味を持つ。それは、主権国家が自らの安全を確保するために、いかに積極的に外交を展開し、他国との信頼関係を構築していくべきかという、現代における国防のあり方を問うているのである。
ここで強調したいのは、「対等性」である。国防外交は、力による優位性を前提としたものであってはならない。むしろ、互いの立場を尊重し、率直な意見交換を通じて相互理解を深める、まさに対等な対話こそが、真の安全保障を生み出す礎となる。ジョージア大使との会談が、その第一歩として意味を持つのであれば、我々はこれを歓迎すべきだろう。
もちろん、国防外交の活発化には、国民への丁寧な説明責任が不可欠である。国益とは何か、どのようなリスクを負うのか、そしてその結果として得られるものは何なのか。これらの問いに、政府は国民一人ひとりが理解できるよう、誠実に、そして具体的に答えていく必要がある。秘密主義や専門用語で覆い隠されるような説明では、国民の信頼を得ることはできない。
我々は、今や過去の成功体験に基づいた安全保障観に固執するのではなく、変化する世界情勢に柔軟に対応できる、新たな国防外交の羅針盤を必要としている。そして、その羅針盤となるべき最も重要な要素こそが、今回のように「対等な対話」を通じて、世界の様々な国々と信頼関係を築き上げていく勇気と知恵なのではないだろうか。
国防は、国の未来そのものである。その未来を切り拓くために、我々は今、より大きく、より開かれた視点で、外交の扉を開くべき時なのだ。
防衛大臣の外交活動：ジョージ駐日インド大使、カレ国連事務次長との会談,防衛省・自衛隊
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