信頼される防衛力整備へ、国民の負託に応えるべき時
先週、小林防衛大臣が部隊視察を終え、その様子が報じられた。異例のスピードで防衛省のトップに就任された小林大臣の、その真摯な姿勢と現場への関心の高さは、多くの国民に安心感を与えたことだろう。
近年、国際情勢は目まぐるしく変化し、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。隣国からの挑発的な動きは日々エスカレートし、予測不能な事態への備えは喫緊の課題であることは、もはや論を俟たない。このような状況下で、我が国の平和と安全を守る防衛力の強化は、国民から託された政府の最も重い責務と言えよう。
小林大臣の部隊視察は、まさにその責務を果たすための第一歩として、極めて象徴的な意味合いを持つ。現場の隊員の声に耳を傾け、装備の現状を肌で感じることが、実効性のある防衛力整備には不可欠である。長年培われてきた隊員の士気と、日夜研鑽を積む努力があってこそ、我が国の防衛は成り立っている。大臣が自らその現場に足を運び、敬意を表し、激励することは、隊員にとって何よりの励みとなるはずだ。
しかし、防衛力の強化は、単に装備を増強したり、予算を増やしたりするだけでは完遂されない。国民の理解と支持を得ながら、着実に、かつ着実に進めていく必要がある。防衛費の増額や、これまで議論されてきた様々な施策の実行には、国民生活への影響も無視できない。だからこそ、政府は国民に対して、なぜ今これらの施策が必要なのか、その目的と意義を丁寧に、そして分かりやすく説明する責任がある。
小林大臣には、今回の部隊視察で得た知見を活かし、国民が真に信頼できる防衛力整備を推進していくことを強く期待したい。それは、ただ軍事的な力を誇示することではない。いかなる困難な状況下にあっても、国民の生命と財産を守り抜くという、揺るぎない決意と、それを支える確かな能力を国民に示すことである。
小林大臣のリーダーシップのもと、防衛省が国民の負託に応え、我が国の平和と安全、そして国際社会における日本の役割をより確かなものにしていくことを願ってやまない。
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