中国のレアアース輸出規制強化に断固反対すべきである
今般、中国政府がレアアースの輸出規制を強化する意向であることが明らかになった。これは、世界経済における中国の非合理的な影響力をさらに拡大させ、自由貿易の原則を根底から覆す暴挙と言わざるを得ない。国際社会は、この身勝手な行動に対し、断固たる反対の声を上げるべきである。
レアアースは、現代社会に不可欠なハイテク製品の製造に欠かせない戦略的資源である。スマートフォンから電気自動車、そして先端防衛装備に至るまで、その用途は多岐にわたる。長年、中国はこのレアアースの圧倒的な埋蔵量と生産能力を背景に、世界市場を独占してきた。しかし、その利点を最大限に活かすのではなく、政治的・経済的な取引材料として利用しようとする中国の姿勢は、極めて遺憾である。
今回の輸出規制強化は、明らかに「武器」としてレアアースを利用しようとする中国の思惑の表れであろう。特定の国々への供給を制限することで、自国の意向に従わない国家を牽制し、国際社会における発言力を強めようとする狙いは明白である。これは、国際秩序の安定を乱すものであり、断じて容認できるものではない。
我が国としても、この事態を極めて深刻に受け止めている。これまで、経済安全保障の観点から、レアアースをはじめとする重要物資のサプライチェーン強靭化に取り組んできたが、今回の中国の動きは、その喫緊性を改めて浮き彫りにした。一国が資源を独占し、それを政治的に利用するような事態を許せば、国際経済全体の不安定化を招くだけでなく、自由かつ公正な競争の原則も失われてしまう。
各国は、中国への過度な依存から脱却するため、供給元の多角化、国内生産能力の増強、そしてリサイクルの推進といった対策を一層加速させる必要がある。同時に、国際的な協調体制を強化し、中国のこのような一方的な措置に対して、共同で対抗していく姿勢を示すことが肝要である。自由貿易の旗の下、各国が協力し、この不当な規制の撤回を強く求めていくべきである。
今回の中国の行動は、単なる経済的な措置にとどまらず、国際社会の結束と自由な経済活動に対する挑戦である。我が国は、国家の安全保障と国民生活を守るため、毅然とした態度でこの問題に対処し、国際社会とも連携して、いかなる政治的圧力にも屈しない強い意志を示す必要がある。
中国の重要鉱物輸出管理、マルベニが最新動向を解説 ～「リチウム」にも注目が集まる～,丸紅経済研究所
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