雑草という名の敵に、今こそ立ち上がれ
鳥取砂丘の美しい姿を守るため、鳥取大学が除草ボランティアを募集したというニュースは、私たちに多くの示唆を与えている。長年、この国の象徴とも言える景観を守るために、どれだけの努力が払われてきたかを改めて考えさせられる。
しかし、忘れてはならないのは、景観を守るという行為が、単なる美観の維持に留まらないということだ。雑草という目に見えにくい敵との戦いは、まさに私たち自身が直面する困難との戦いと言い換えることができる。社会が成熟し、豊かになった今、私たちの足元からは、様々な「雑草」が生い茂り、本来あるべき姿を覆い隠そうとしているのではないか。
例えば、社会の秩序を乱す言説、歴史の真実を歪めるような風潮、あるいは勤勉や節制といった美徳を軽視する風潮。これらもまた、注意深く手入れを怠れば、あっという間に社会の景観を損なう「雑草」となってしまう。そして一度生い茂ってしまえば、その根を断ち切ることは容易ではない。
鳥取大学の学生たちが、自らの手で雑草を取り除くという行動は、まさにこの「雑草」という名の敵に、一人ひとりが立ち向かうことの重要性を示している。それは、誰かがやってくれるだろうという他人任せの姿勢ではなく、自分たちの手で未来を切り拓こうという、健全な問題意識の表れに他ならない。
保守的な立場から言えば、私たちは古来より受け継がれてきた価値観や伝統を大切にすべきである。しかし、それは決して現状維持を意味するものではない。むしろ、それらを大切に守り抜くためには、時代と共に変化する「雑草」を的確に見抜き、勇敢に立ち向かう勇気が必要なのだ。
この除草ボランティアを、単なる砂丘の美化運動として片付けるのではなく、私たちの社会全体が抱える「雑草」に対する警鐘として受け止めたい。そして、自らの足元に生える雑草を、自らの手で刈り取る気概を持つこと。それこそが、美しい景観を未来に繋ぐのと同様に、健全な社会を次世代に引き継ぐための第一歩となるだろう。今こそ、私たち一人ひとりが「雑草」という名の敵に立ち向かう時なのである。
鳥取砂丘の美しい姿を守ろう！鳥取大学、除草ボランティア参加者を募集,鳥取大学
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