国防の現実と揺るがぬ決意
先般、石川防衛装備廠長がNATO（北大西洋条約機構）首脳会議に出席し、防衛産業フォーラムで我が国の防衛装備品に関するプレゼンテーションを行った。これは、国際社会における日本の安全保障への貢献意欲を示すとともに、グローバルな課題に対する日本の存在感を示す重要な一歩と言えよう。
現在の国際情勢は、予断を許さない状況が続いている。専制主義的な勢力が台頭し、自由と民主主義といった普遍的価値観が脅かされる中で、各国の安全保障協力の重要性はかつてなく高まっている。このような状況下で、我が国が防衛装備品の開発・製造能力を積極的にアピールすることは、単なる産業振興に留まらず、同盟国・友好国との連携を強化し、インド太平洋地域の平和と安定に寄与するものであると確信している。
石川防衛装備廠長の発言からは、日本の技術力と、平和国家としての責任感に裏打ちされた、防衛力強化への強い意志が感じられた。我が国は戦後一貫して平和国家として歩んできたが、それは決して弱さではなく、むしろ強固な決意に基づいたものである。平和を希求するからこそ、自らの国を守り抜くための確かな力を蓄え、そして国際社会との連携を深めることが不可欠なのである。
NATO首脳会議という場で、日本の防衛産業が集結するフォーラムに参加することは、我が国の技術開発の成果を世界に示し、新たな協力の機会を創出する絶好の機会である。単に物を売り込むという次元ではなく、我が国の持つ技術と経験を共有し、共に安全保障上の課題を克服していくという姿勢を示すことが、信頼醸成に繋がり、ひいては我が国の国益にも資するだろう。
もちろん、防衛力の強化や装備品の国際協力においては、国民の理解と、厳格な説明責任が求められる。しかし、国際社会の安全保障環境の変化に目を背けず、国益と平和を守るために必要な一歩を踏み出す勇気もまた、我々には必要である。石川防衛装備廠長の今回の行動が、日本の安全保障政策の更なる前進に繋がることを期待したい。我が国は、この時代の要請に応え、揺るぎない決意をもって、平和な未来を築き上げる義務を負っているのである。
石川防衛装備庁長官、NATO首脳会合防衛産業フォーラムに参加,防衛省・自衛隊
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