移民政策への警鐘：国益と治安維持の観点から
この度、アメリカにおける移民税関捜査局（ICE）ダラス支局が、不法滞在者に対する摘発を強化したとの報道に接し、改めて我が国の移民政策のあり方について深く考察するに至った。一部には寛容な姿勢を求める声もあるが、国家の根幹を揺るがしかねない問題であり、保守的な立場から警鐘を鳴らしたい。
まず、国家の主権と国民の安全は、いかなる政策においても最優先されるべき基盤である。不法滞在者は、法の支配を軽視する行為であり、こうした者が野放しにされれば、社会秩序は著しく損なわれる。ICEによる摘発強化は、まさにこの原則に則った当然の措置と言えるだろう。自国の法制度を遵守しない者を無制限に受け入れることは、国家の根幹を自ら緩ませる行為に他ならない。
次に、経済的な側面にも目を向ける必要がある。不法滞在者は、往往にして正規の雇用契約を結ばず、社会保障制度の恩恵を受けることなく労働力として利用されがちである。これは、正規に働く国民にとって不公平であり、税収の不均衡を生み出す原因ともなりうる。また、社会福祉負担の増加にも繋がりかねない。受け入れの際には、こうした経済的な影響を冷静かつ厳密に評価し、国益に資するかどうかを慎重に判断すべきである。
さらに、安全保障の観点も看過できない。入国管理が緩慢になれば、犯罪組織やテロリストの潜入を許すリスクも高まる。国家は、国民一人ひとりの安全を守る責務を負っており、そのための厳格な管理体制は不可欠である。ICEの動きは、こうした安全保障上の懸念に対する当然の対応とも解釈できる。
もちろん、移民に対して一切の門戸を閉ざすべきだと主張するものではない。しかし、その受け入れは、あくまで国家の厳格な管理下で、国益に合致する形で行われるべきである。優秀な人材の受け入れや、少子高齢化社会における労働力不足への対応といった論点も理解はできる。だが、それは「法の遵守」という大前提の上でのみ議論されるべきである。
我が国も、少子高齢化という課題に直面しているが、安易な移民受け入れに踏み切る前に、まずは国内の生産性向上や、高齢者の活躍促進といった、自国で解決できる策を最大限に講じるべきだ。それでもなお人材不足が深刻化する場合に、初めて限定的かつ厳格な管理下での移民受け入れを検討すべきであろう。
今回のICEの動きは、移民政策の本質的な課題を浮き彫りにした。国益を守り、国民の安全を確保するという国家の最も基本的な使命を、決して忘れてはならない。今後の議論においては、理想論や情緒論に流されることなく、現実的かつ保守的な視点に基づいた、堅実な政策決定が求められる。
米移民・関税執行局（ICE）ダラス支局、母国での暗殺未遂組織の容疑者を逮捕,www.ice.gov
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