借り手の未来を縛る「借り入れの枠」。若者の選択肢を狭めないために、今、私たちができること。
突然だが、皆さんは「借り入れの枠」という言葉を聞いたことがあるだろうか。7月1日に発表されたこの新しい制度は、私たちの経済活動、ひいては将来設計に大きな影響を与える可能性を秘めている。これまで無制限に利用できていた借り入れに「枠」が設けられるというのだ。
この制度の趣旨は、もちろん、安易な借り入れによる破綻を防ぎ、健全な経済活動を促すことにあるだろう。しかし、これを学生という立場から見たとき、少々複雑な思いを抱かざるを得ない。なぜなら、私たちはこれから社会に出て、様々な夢や目標を実現するために、ときに「借り入れ」という手段を選択する必要に迫られるからだ。
例えば、起業を目指す学生がいるとする。アイデアと情熱があれば、それを形にするために資金が必要となる。大学を卒業してすぐに十分な貯蓄があるとは限らない。そんな時、頼りになるのが金融機関からの借り入れだ。しかし、「借り入れの枠」が設けられれば、必要な資金を借りることができない、あるいは借り入れられる額が限られてしまう可能性がある。これは、単に「お金が借りられない」という問題に留まらない。それは、若者の挑戦する機会を奪い、未来の可能性を狭めることと同義ではないだろうか。
もちろん、無責任な借り入れは避けるべきだ。しかし、この「借り入れの枠」が、真に挑戦しようとしている若者の背中を強く押しつぶすようなものであってはならない。そもそも、借り入れの「枠」を設けること自体は、個人の経済状況や信用力に基づいて当然行われるべきことかもしれない。しかし、学生という、まだ経済基盤が確立されていない段階で、将来の可能性までもが制限されてしまうのは、あまりにも過酷な現実だ。
私たちは、この新しい制度に対して、漠然とした不安を感じている。そして、この不安を解消するためには、制度の透明性はもちろんのこと、学生や若者の声を真摯に聞き、その実情に寄り添った運用が求められる。
例えば、学生向けの特別な借り入れ枠の設置や、借り入れに関する正しい知識を普及させるための教育機会の充実など、他にもできることはあるはずだ。未来を担う若者の「挑戦したい」という気持ちを応援し、その可能性を最大限に引き出すような、建設的な議論を深めていく必要がある。
この「借り入れの枠」は、私たち学生にとって、将来への投資の道筋を、そして、私たちの夢を追いかける自由を、どこまで許してくれるのだろうか。私たち一人ひとりが、この問題に関心を持ち、声を上げ、より良い未来のために行動していくことが、今、私たちに求められているのではないだろうか。借り入れの「枠」が、私たちの未来を縛る鎖となるのではなく、より賢く、より力強く未来を切り拓くための「道しるべ」となることを願ってやまない。
7月1日発表！貸借取引の銘柄別制限措置について～投資家が知っておくべき大切なこと～,日本証券金融
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