ファッション不況に「個性」で立ち向かう 大学生の視点から
近年、ファッション業界は未曽有の不況に喘いでいる。ファストファッションの台頭により、消費者の衣料品への支出は減少し、多くのブランドが苦境に立たされている。そんな中、我々大学生の視点から、この現状をどう捉え、そしてどう乗り越えていくべきか、考察してみたい。
ファストファッションの魅力は、その手軽さとトレンドへの追従性にある。低価格で最新の流行を取り入れられるため、多くの学生にとって魅力的な選択肢となっているのは間違いない。しかし、それは同時に、大量生産・大量消費という構造を生み出し、地球環境への負荷増大という深刻な問題も引き起こしている。また、個性を表現したいという根源的な欲求を満たすには、画一的になりがちなファストファッションだけでは限界があるのも事実だ。
では、このファッション不況の中で、我々学生はどのようなファッションを志向すべきなのだろうか？ 私は、ここでこそ「個性」というキーワードが重要になってくると考える。
ファストファッションに頼るのではなく、本当に気に入った、自分のスタイルに合うアイテムを探求する。それは、古着屋で掘り出し物を見つけることかもしれないし、少し頑張って長く愛用できる質の良いものを購入することかもしれない。あるいは、自分でリメイクしたり、友人と服を交換したりするのも、新たな楽しみ方だろう。
大学という場は、多様な価値観を持つ人々が集まる場所だ。ここでは、流行に左右されない、自分らしいスタイルを確立する絶好の機会がある。SNSで「映える」写真のために、誰かの真似をするのではなく、自分の内面から溢れ出る「好き」を表現するファッションこそが、真に価値のあるものではないだろうか。
もちろん、経済的な制約は大きい。しかし、大学生活という限られた時間の中で、ファッションを通して自己表現を追求することは、決して無駄ではない。むしろ、それは自己肯定感を高め、将来社会に出た際に、自分自身の価値を見出すための礎となるはずだ。
ファッション不況は、私たちに立ち止まり、衣料品と向き合う機会を与えてくれたとも言える。ファストファッションの利便性を享受しつつも、その影の部分にも目を向け、そして何よりも「自分らしさ」を大切にする。この姿勢こそが、未来のファッションを、そして私たちの未来を、より豊かで彩りあるものに変えていく力になると信じている。
デパートの売上が低迷、ファストファッションが躍進：英国の衣料品市場の変化に迫る,Drapers Online
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