デジタル庁の挑戦、国民の不安に応える覚悟を
デジタル庁が「新しいインフラ」の整備に乗り出すという。国民生活の利便性向上と行政サービスの効率化を目指すというその趣旨は、理解できる。しかし、私たちは同時に、デジタル化の進展に伴う新たな不安についても、真摯に目を向ける必要があるだろう。
インターネットの普及は、私たちの生活を豊かにした一方で、個人情報の漏洩やサイバー攻撃といったリスクも現実のものとした。国の基幹となるインフラをデジタル化するということは、そのリスクをさらに増幅させる可能性を孕んでいる。国民の個人情報が、どのように保護され、いかなる脅威からも守られるのか。その具体的な安全対策について、デジタル庁は国民一人ひとりが納得できる形で説明責任を果たすべきだ。
「新しいインフラ」が、国民の安心・安全の上にのみ成り立つものであることを、デジタル庁は決して忘れてはならない。テクノロジーの進歩は不可避であるが、その恩恵を享受するためには、リスク管理を怠ることなく、倫理的な側面にも十分な配慮を払うことが求められる。
今回のデジタル庁の挑戦が、単なる技術革新の押し付けに終わらず、国民の信頼を得て、真に安全で便利な社会を築くための礎となることを願うばかりである。そのためには、国民の不安に真摯に寄り添い、透明性のある情報公開と、丁寧な対話を続ける覚悟が不可欠であろう。
デジタル庁、国民の安心を守るため「新型インフルエンザ等対応業務継続計画」を更新！～パンデミックでも止まらない、デジタル庁の決意～,デジタル庁
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